作品情報 2013年米国映画 監督:ジョシュ・トランク 出演:デイン・デハーン、アレックス・ラッセル、 マイケル・B・ジョーダン 上映時間:84分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所(イオンシネマネット配信)
1200万ドルの低予算映画ながら、斬新な発想と映像で全世界で1億ドル以上のスマッシュヒットとなった作品。これを見ると、SFXの使い方は、予算にかかわらずまだまだアメリカにはかなわないな〜

【ストーリー】
家庭に事情を抱え、いじめられっ子で友達もいないアンドリュー(デイン・デハーン)は、カメラで動画撮影をすることだけが楽しみだった。ある日、いとこのマット(アレックス・ラッセル)と、高校の生徒会長候補のスティーブ (マイケル・B・ジョーダン)が不思議な穴を発見し、証拠としてカメラに撮りたいとアンドリューも現場に誘われる。穴の奥にある結晶体をさわったとたん、3人はふっとんだ。
やがて気づいた3人は、超能力を持っていることに気づく。最初はスカートめくりなどたわいのないことに超能力を使っていた3人だが、やがて、自分らの力が想像を超える大きなものであることに気づき、やがて…
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【感想】
ボンクラな主人公が人智を超えた力を手に入れたために起きるアクシデント


脚本についていえば、超能力を最初はたわいのないことに使っていながら、徐々に力に気づき、そして、喜びのあまり、最初は夢のようなことに使いながらも…という順番もうまい。もし、僕も超能力をもったら、さすがにスカートめくりはしないけれど、身の回りのしょうもないことから使っていくだろうし、制御ができなくなるまで、その力の恐ろしさに気づくこともないでしょう。そのごく普通の人に思いもかけないことがおきたときのリアルっぽさというのがよく現れてました。超能力はまだしも、宝くじが当たるとか、大金を拾うとか、思いもかけないことが起きても、たいていの人間は対処できないんですよね

終盤までは本当に低予算で撮影しているなあ、と思いつつも、POVを利用して、例えば360度ぐるりと回って画像をとったりと、工夫を凝らしているのがわかります。そのうえ、クライマックスでドカンと予算を使っているメリハリのよさも心地が良い。最後はある登場人物の気持ちと一体化して、とにかく、やめてほしいと切に願うとともに、カタルシスにもひたってしまいました

孤独な少年が、ハイグレードな友人とあこがれの女の子と親しくなって何度もできそうな万能感でいっきに幸せになって、でも…というのは、青春映画としても心に刺さるものがあるし、超能力を使ったSF映画としても楽しめるし、なかなかの拾い物。こちらも映画館で見られなかったのは残念でした

冴えない少年少女が超能力を持った悲劇という作品ではなんといってもキャリーを思い出します。今年リメイクされたのを見ましたが、クロニクルには及びませんでした。
日本のAKIRAの影響を指摘する人もいますが、僕は未見。
POVといえば、なんといっても低予算大ヒット映画の代名詞となったこちらの作品です