2014年01月17日

ジャンゴ 繋がれざる者


 タランティーノ監督お得意の往年のB級映画へのオマージュ。僕はマカロニウェスタンにまったく関心がなかったのですけど、血しぶき飛びまくりのアクションに、悪い奴は問答無用で撃ち殺すシーンの連続に興奮してみました。


  作品情報 2012年アメリカ映画 監督:クエンティン・タランティーノ 出演:ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオ 上映時間:165分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所 イオンネットシネマ 2014年ネット配信鑑賞1本目



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 【ストーリー】

 18世紀後半のアメリカ南部。歯医者のドクター・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)は馬車に乗って賞金稼ぎを稼業としていた。お尋ね者3兄弟の顔を知る黒人奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)を救出して相棒にして、賞金稼ぎの旅を続けた。

 ジャンゴは妻のブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)の行方を探していた。彼女が南部の大農場主、ムッシュ・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)の奴隷になっていることを知った2人は、一計を案じて、キャンディに近づく。
 【感想】

 タランティーノ監督の前作「イングロリアス・バスターズ」同様、悪者は容赦なく撃ち殺す作品は、奴隷制度には関心のない日本人にはすかっとみれたけど、アメリカではどう受け取られたか興味深いところです。南北戦争で奴隷解放宣言が出てから150年近くたつのに、本作で描かれたような黒人奴隷が馬や牛と同様にムチで追い立てられ、たやすく命を奪われていた描写というのは、ハリウッドの大作映画ではこれまで取り上げてきませんでした

 それどころか、「風と共に去りぬ」のように、慈悲深い大金持ちの白人と、従順な黒人奴隷の関係がノスタルジックに描かれていました。しかし、それらの映画からは人間が人間を奴隷にするなんてことが果たして正常なのか、という当たり前のことが抜け落ちています。この映画はそんな風潮を徹底的に軽蔑しています。例えば、ディカプリオ演じるキャンディは、他の大農場主に比べると、まだましなほうなわけです。従順な黒人執事スティーブン(サミュエル・L・ジャクソン)と親しげに会話し、自由黒人を名乗るジャンゴをちゃんともてなします。むしろ、スティーブンのほうが、同じ黒人なのに、自分は特別な黒人だとして、他の黒人につらくあたっていました。また、キャンデイの姉のララ(ローラ・カユーテ)も、優雅さを求めて、食卓で黒人奴隷の鞭打ちを止めさせようとします。

 前半までの、極悪な奴隷商人や農場主を射殺する場面はすんなり受け止められたけど、タランティーノはキャンディ姉弟をなぜ、こういう描写にしたのか考えてみました。かれらは当時の制度のなかでは、まっとうな感覚をもっていたかもしれません。しかし、制度自身がおかしいのならば、それに従っている時点でアウトなわけです。少なくとも、同じ人間で動物ではないという感覚を持つべきだった。それができないのは罰せられても仕方がない、というわけです。実は、現代社会への痛烈な風刺になっています。海外で何千万人が飢え死にしても、あるいは、国内で貧富の差が猛烈に拡大して、ホームレスに落ちる人が大勢いても平気な先進国の普通の市民につきつけているというわけですバッド(下向き矢印)

 難しいことは考えなくても、俳優たちのノリノリの演技を楽しむだけでも満足。クリストフ・ヴァルツは、「イングロリアス〜」のいっちゃった悪役と違って、主人公を助ける正義の役。彼が、我慢に我慢を重ねた挙句、最後に切れるシーンは本当にうまい。完全にジェイミー・フォックスを食っていました。またディカプリオも、最近はこうした異常者も含めて役柄が広くなってますよね。2枚目俳優から完全に脱却しており、早くオスカーを受賞すればいいのに ちなみにオスカーといえば、今年の作品賞の大本命、「あおれでも夜は明ける」も黒人奴隷をシビアに描いた作品であり、アメリカ映画界も変わってきたということでしょうか。



 タランティーノ監督の前作「イングロリアス・バスターズ」も怪作でした。



南部白人が美化した歴史ともいえる「風と共に去りぬ」。今見ても名作です。



posted by 映画好きパパ at 08:58 | Comment(0) | TrackBack(2) | 2014年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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「ジャンゴ 繋がれざる者」 タランティーノ感ありつつも、いつもより見易い
Excerpt: クエンティン・タランティーノの初の西部劇。 マカロニ・ウェスタン大好きな感じは「
Weblog: はらやんの映画徒然草
Tracked: 2014-01-26 16:32

ジャンゴ 繋がれざる者
Excerpt: 痛快で面白かった!
Weblog: だらだら無気力ブログ!
Tracked: 2014-01-29 22:34