2014年02月06日

メイジーの瞳

 両親の離婚騒動を幼い子供の目線から描いた作品。温かいまなざしでほっこりするとともに、けなげな子供を傷つけてはいけないなあ、と親である我が身に置き換えてしみじみと見ました。

 作品情報 2012年米国映画 監督:スコット・マクギー、デヴィッド・シーゲル 出演: ジュリアン・ムーア、アレキサンダー・スカルスガルド、オナタ・アプリール 上映時間:99分 評価★★★★★(五段階)鑑賞場所TOHOシネマズシャンテ 鑑賞日2月1日 2014年劇場鑑賞14本目



 【ストーリー】
 メイジー(オナタ・アプリール)は6歳。ロックミュージシャンのママ(ジュリアン・ムーア)と画商のパパ(スティーヴ・クーガン)はメイジーのことはかわいがってくれるけど、お互いに喧嘩ばかり。ついに離婚することになった。

 裁判の結果、共同親権で10日おきに両親の家を行き来することになったメイジー。だが、二人とも、新しい自分の生活に忙しく、ついには再婚することに。居場所のなくなったメイジーは…

 【感想】
 幼い娘を持つ僕からすると、何ともいたたまれなくなる物語。メイジーは両親が喧嘩していても、席を外して何もしらないふりをする聡明さをもち、傷ついている親にそっと寄り添うやさしさを持っています。年だけとっている親よりも、精神年齢は上みたい。でも、それって6歳の子供には無理をさせているということなんだよねえ。

 両親は社会的には成功しているけど、親としてまったく自覚がなし。出張が入れば平気で一人で置き去りにしてしまう父親も、たばこやおそらく麻薬もすいまくりで、FUC×という汚い言葉が飛び交うバンド仲間のところに深夜まで引き回す母親も、本人たちはメイジーをかわいがっていると思うから始末に負えない。高いおもちゃをあげて、「愛している」と声をかけるだけでいいわけない。子供を育てるのではなく、かわいい愛玩動物としてしか見ていないのだ。日本だったら、児童虐待で警察か児童相談所に通報されてもおかしくないレベルだけど、アメリカにはそんな制度がないのかなあ。

 大人からすれば、自分たちの人生はあるし、一人になったのだから、仕事も恋もばりばりしたい、という気持ちになるのだろう。しかし、メイジーの気持ちというのはまったくくみとらず、ただ、子供はごはんとおもちゃを上げれば育つとしか、思っていない。現実にもそういう家庭はあるのだろうけど、とにかく、両親の身勝手さには腹が立つとともに、その何分の一かは自分にもあてはまることに気がついて慄然とします。

 父の再婚相手はメイジーの子守をしていたマーゴ(ジョアンナ・ヴァンダーハム)、母もそのあてつけのように若いバーテンダー、リンカーン(アレキサンダー・スカルスガルド)と再婚します。しかし、せっかく再婚しても、父も母もわがままばかりで、離婚したのも当然だし、離婚しても何にも成長していない様子がよく分かる。こうした子供のような大人って、現実の日本にもごろごろしてますよね。

 マーゴやリンカーンは若いだけあってすれてなく、メイジーのことを気にかけるのだけど、自分たちの生活を、いくら再婚相手の子供とはいっても、他人の子供のために犠牲するというのも無理な話。大人の事情に翻弄しながらも、決して涙を見せず、いつも笑顔なメイジーが、「おうちに帰りたい」とついに泣いたとき、彼女のけなげさが心をうちます。それにしても、離婚したり再婚したり、そこらへんのくっつく離れるの感覚は、日本ではちょっと考えられないかも。血のつながりが大切なのか、それとも心のつながりが大切なのか考えられる作品でした。

 ジュリアン・ムーアはさすがの貫禄だし、ジョアンナ・ヴァンダーハムの初々しさも新鮮だけど、なんと言ってもメイジー役のオナタ・アプリールの抑制された天才子役っぷりが見事。原作はなんと19世紀の小説だそうで、この問題はどこの時代でも普遍的なもの。子を持つ親にはぜひみてほしい作品でした。

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 配給会社は、制作者+ジュリアン・ムーアの前作「キッズ・オールライト」を上げたキャッチコピーをしています。オスカー候補になっているけど、レズビアンのカップルというマイノリティーを描いているため、「メイジーの瞳」のほうが自分の身に置き換えられてすきです。



 この監督は「綴り字のシーズン」の監督ですが、こちらは未見。いつかはみたい作品です。

posted by 映画好きパパ at 08:25 | Comment(0) | TrackBack(6) | 2014年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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