作品情報 2013年米国映画 監督:マーティン・スコセッシ 出演: レオナルド・ディカプリオ、 ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー 上映時間:179分 評価★★★★★(五段階)鑑賞場所TOHOシネマズららぽーと横浜 鑑賞日2月11日 2014年劇場鑑賞16本目
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【ストーリー】
ジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)はコネも学歴もないが、ウォール街でのしあがろうと、大手証券会社に就職した。上司のマーク(マシュー・マコノヒー)から、証券会社は「客の金を自分のポケットに入れる仕事だ」と教わり、客にも儲けさせればいいと思っていたジョーダンを仰天させる。
最初の会社が倒産して、ジョーダンは屑株を詐欺まがいの手法で売りつける中小企業に転職、やがて自分で会社を興す。メンバーはドニー(ジョナ・ヒル)ら近所の冴えない男だった。全米の富裕層を狙って屑株を売りつけ、自分はインサイダー取引で大儲け。20代で年収49億円の大金持ちになり、高級外車を買って、酒と麻薬と女と毎日パーティーでらんちき騒ぎ。しかし、彼の詐欺的手法にFBIが捜査に乗り出し…
【感想】
ディカプリオ主演で、オスカー候補の本作がなんとR18。それだけで想像つくでしょうが、酒はともかく、女と麻薬のオンパレード。なんと「ふぁっく」というセリフがもっとも多い作品として、ハリウッド史上に名前を残すことになったそうです。作品中506回もあるそうですから、1分に3回は、このフレーズが流れたと言うことになります。
物語の骨子は非常にしっかりしています。純朴なアメリカンドリームを夢見た若者が、薄汚い業界のなかで才覚を現し、成功して豪華の限りを尽くすけれど、悪事はやがて滅びる、という王道的な作品です。実話をもとにしており、本物のジョーダンもラストのセミナーの司会者役でカメオ出演しています。よく実話をもとにした物語は、物語のバランスやテンポが崩れてしまうのですが、3時間という長時間にしたうえ、最初から最後までハイテンションで突っ走ったため、最後まで楽しめました。
表面的にはこうした酒や麻薬や女の描写に目を奪われてしまうのですが、スコセッシ監督は、いんちき投資が蔓延するウォール街への批判と、あぶく銭のむなしさをしっかりと描いているのが見逃せません。特に、冒頭のマークとのやりとりは、投資にあたって大手の証券会社でも顧客のことはカモとしかみていないことを描いています。日本でもアベノミクスとかで浮かれている人も多いのですが、序盤のこうした会話だけでも聞かせてあげたい。
その一方で、ラストのFBI捜査官(カイル・チャンドラー)の描写や、ジョーダンのセミナーの様子をみると、単に「お金儲けは良くなく、清く正しく美しく」なんてタテマエをぶっとばしてしまいます。いつの時代もお金がほしいというのも、また人間の心理ですから。ただ、カモにならないよう用心しなければいけません。ちなみに、ジョーダンの手法は、旧ライブドアのとった手法と似ているといわれますし、日本のIT企業で株で金持ちになった人も、スケールははるかに小さいとはいえ、同じようなことをやっているのでしょうから、洋の東西を問わず、似たようなことが怒ると言うこと。
ディカプリオは、同じ成金でも「華麗なるギャツビー」とは真逆の、刹那的でひたすら享楽的な男になりきりました。文字通りの体当たり演技で、これでオスカーをとらせないのはかわいそうだけど、今年はライバルが多いから難しいだろうなあ。妻役のマーゴット・ロビーは、初めてみるけど美人ですねえ。ヌードをはじめセクシーなシーンも多かったので、男性観客にとって眼福でしょう。また、ドニー役のジョナ・ヒルは「マネー・ボール」でブラピの部下のコンピューターオタクも印象的で、美男子でなくとも大作で印象を残すというのは立派。
このほか、スイスの都合が悪くなるとすぐフランス語でごまかす、いけすけない銀行家に「アーティスト」のジャン・デュジャルダン、ジョーダンの2社目の上司にスパイク・ジョーンズ、ジョーダンの父親にロブ・ライナー、弁護士にジョン・ファヴローと、なんともツボをついたキャスティングもたまりません。
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ウォール街を映画にした作品といえば、もちろん「ウォールストリート」ですよね
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