2014年03月12日

早熟のアイオワ

 ジェニファー・ローレンスとクロエ・グレース・モレッツがデビュー直後出演した幻の作品が日本でも上映。ローレンスの天才ぶりにただただ感嘆するばかりの作品でした。

 作品情報 2008年米国映画 監督:ロリ・ペティ 出演:ジェニファー・ローレンス、セルマ・ブレア、クロエ・グレース・モレッツ 上映時間:93分 評価★★★★(五段階)鑑賞場所新宿シネマカリテ 鑑賞日3月7日 2014年劇場鑑賞36本目

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 【ストーリー】
 。1976年、アイオワ州の田舎町に暮らす14歳のアグネス(ジェニファー・ローレンス)はバスケ部のエースで、成績もオールA、男子からもてまくりの一見非の打ち所のない少女。ところが、彼女の母、サラ(セルマ・ブレア)は自宅を仕事場にする売春婦だった。

 アグネスは妹のビー(ソフィア・ベアリー)とキャミー(クロエ・グレース・モレッツ)を母の代わりに育て、アルバイトと学業を両立させようとする。しかし、サラと、彼女のヒモのデュバル(ボキーム・ウッドバイン)はアグネスに客をとらせようと計画していた。そうとは知らないアグネスは、男らしい風貌のデュバルに恋心を寄せ…

 【感想】
 「ハートブルー」「タンクガール」などの女優ロリ・ペティが、自らの生い立ちを映画化しようと、脚本(共同)、監督も兼ねた。そのため、非常にウェットで、70年代ポップを多用した甘ったるい部分もある一方、かつての自分の過去を嫌悪するような冷めた視点もあり、ちょっと落ち着かない感じがあります。

 しかし、どんな過酷な条件でも、妹たちを守って、それでも生きていこうとするアグネスの姿には心をうたれます。自分の娘を商売の道具にしようとする母親のクズ親っぷりとは好対照。見ているこちらが、アグネスへの思い入れが強くなるなか、終盤で、母親と決定的な場面があります。とにかく、このローレンスの演技の神がかったこと。真に絶望した慟哭とはこのようなものかと、見ているこちらが震えました。あくまでもクズをつきとおす、セルマとのかみ合わない会話から始まるシークエンスは必見です。「アメリカン・ハッスル」でもローレンスの演技に感心したばかりですが、撮影当時17歳で、これほどの表現力と体当たり演技ができるというのは、ただただ素晴らしいのひとこと。

 アグネスのシーンばかりでは尺が持たないためか、ビーとキャミ−の場面も多いのですが、終盤のアグネスの場面に圧倒され、2人の場面が吹っ飛んでしまったのはもったいない。それぞれのエピソードも興味深かっただけに、もっと丹念に描けばよかったのに。クロエ・グレース・モレッツは10歳相応の役を見せており、ファンにとっては貴重な画像かも。

 もう一つ興味深かったのが、アメリカの田舎町の古き良き?関係。親が売春婦なのは周知の事実なのに、アグネスのバイト先の大人や、学校の友人は彼女のことを暖かく見守ります。サラの売春仲間や客ですら、彼女を傷つけないようにする。それだけに、サラのクズっぷりが際立つのですが。また、ビーもキャミ−も、浮浪者やちょっとぼけた老人など、町の弱者たちと年齢を超えて友達になっています。そもそも舞台が中西部のアイオワだからか、デュバルも黒人だし、70年代なのに人種差別がほとんどない、というのもちょっとした驚きでした。今のような世知辛い世相とは違って、暖かみが心に心地よかったです。

 音楽の使い方も特筆すべきものでした。僕は当時の米国の音楽は詳しくないのだけど、カーステレオやレコードプレイヤーをかけるシーンがちゃんとあり、BGMが生活場面のシーンにちゃんと反映しています。特に、ラストで3姉妹がドライブしながらかかる曲「Ain't No Mountain High Enough 」は、歌詞が彼女たちの境遇にマッチしており、思わず涙が出そうになってしまいました。

 ジェニファー・ローレンスの出演作品をみると少女時代から演技派ということがよくわかります

posted by 映画好きパパ at 07:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 2014年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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