2014年03月18日

アナと雪の女王

 今年のアカデミー長編アニメ映画賞を受賞したディズニーアニメ。圧巻の映像美、夢を見るようなストーリーと映画の楽しさとはこういうものかと堪能できるミュージカル仕立てになっており、至福の時を過ごせました。

 作品情報 2013年アメリカ映画 監督:クリス・バック、ジェニファー・リー 声の出演:クリステン・ベル、イディナ・メンゼル、ジョナサン・グロフ 上映時間:102分 評価★★★★★(五段階) 鑑賞場所TOHOシネマズ錦糸町 鑑賞日3月14日 2014年劇場鑑賞41本目



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 【ストーリー】
 アレンデール王国の王女エルサ(イディナ・メンゼル)は、幼い頃から触れたものを凍らせてしまい、雪を呼び起こす能力があり、妹のアナ(クリステン・ベル)にうっかりけがをさせてしまった。両親はエルサが魔物扱いされることを恐れ、宮殿の奥に隠して、誰にも合わせなかった。姉が大好きなアナは、突然エルサに会えなくなり、がっかりしていた。

 月日は流れ、国王夫妻が事故死したため、エルサが新しい女王として就任することになる。しかし、即位式の日、エルサの能力がばれてしまい、人々から魔物扱いされ、彼女は宮殿から逃亡して、深い雪山の奥に氷の城を築いて閉じこもる。エルサは自分の能力を解放したが、あまりにも巨大なパワーに、アレンデール王国は凍り付いてしまう。姉と王国の危機を救うため、アナはひとり、雪山へ向かった。

 【感想】
 タイトルからすればアナが主人公で、実際、アナは大活躍するのだけど、エルサに焦点をあてていることが、これまでのディズニーアニメ、いや、ハリウッドの大作映画とは違う視点であり、すごい気に入りました。冬山に閉じこもり、王国中を凍らせる魔女はラスボスでしかありませんでした。ヒロインはハンサムな王子とともに、悪者をやっつけるというのが、何十年も続いてきたストーリー。世間の評価が高かった「塔の上のラプンツェル」も、魔女は結局、悪者で殺してしまうというストーリーは正直うんざりしました。この映画で死者を出さなかったというのは、画期的でした。

 本作では、従来では悪役とばっさり削られたエルサの哀しみと喜びがたっぷりと描かれています。人と違うものとして恐れられ、大好きな妹とも会えずに、自分を押さえつけて暮らさなければならない毎日。それが、魔女であることを受け入れて、自分を解放して自分らしく生きることのすばらしさを歌い上げる。

 例え、その代償として孤独になってしまっても、後悔しない。「Let It Go」の絶唱は見ているこちらの心をうちます。実はこうしたことというのは、日常生活で多くの人が経験していることではないでしょうか。自分らしさを押さえつけ、社会や親の目を恐れて生きていく。サラリーマンなんかしていると、そういう思いが強くなります。そんな人生にいったい価値があるのかと。

 けれども、この映画が良かったのは、さらにその構図をひっくり返すところです。自分らしさをさらけだしても、孤独では意味がないのだと。真実の愛こそが、人生を素晴らしいものに変えてくれる魔法なのだと。アナが姉を思う純粋な思いは、エルサのかたくなな人を拒絶する心を溶かしていきます。やはり、人間はだれかを思い、思われることが重要なんですよね。

 そんなアナの冒険を献身的に支える、氷屋のクリストフ(ジョナサン・グロフ)の存在は物語の大きなポイントになりますが、あくまでも、メインストーリーをアナと雪の女王の話に絞っているところに驚きました。自分を解放して、真実の愛を見つけなさい、なんて言葉にすれば偽善じみていますが、アナとエルサとともに、スクリーンを旅すれば、その意味が心から納得できるでしょう。

 悪役や道化役の存在もあり、ハラハラドキドキするクライマックスも含めて、ストーリーは万全。雪山の氷の世界をはじめとする世界観を創出したアニメーション技術、アナ、エルサはもとより、雪だるまやトナカイなどさまざまに出てくる愛くるしいキャラクター、などなど文句の付け所のない作品でした。吹き替え番でみたけれど、日本語版の松たか子の歌の評判も良いので、機会があれば見にいきたいなあ。

 エンドロールでもニヤリとする画像がまってるし、同時上映の短編映画「ミッキーのミニー救出大作戦」も要チェック。




posted by 映画好きパパ at 07:15 | Comment(0) | TrackBack(20) | 2014年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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