4月からの消費増税を前に、大手シネコンなどの方針がまとまってきました。通常料金の1800円はそのままで、サービスデーを1000円から1100円にするなど、各種割引料金のみを100円値上げするというものです。たとえば私が良く行くTOHOシネマズでは「各種割引料金に100円(税込み)を追加します」と書かれています。
http://www.tohocinemas.co.jp/news/pdf/2014/140130a.pdf
大手シネコンにならって、おそらく中小の映画館も軒並み値上げするでしょう。これは映画ファンにとってはかなり痛手になります。
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映画料金の1800円というのは、世界一高いと言われています。たとえば、アメリカの映画料金は平均8ドル(約800円)。日本の半額以下です。ヨーロッパはどうかというとイギリスは8ポンド(約1250円)と日本の3分の2。中国は50元(800円)というところ。
重要なのは、アメリカにしろ、中国にしろ、映画館によって料金が違うと言うこと。都会の高級なシネコンと田舎の安っぽい映画館は価格が全然違う。中国でも都市部の高級な映画館で3D作品をみると、120元と日本並みにします。しかし日本では、一部都心の映画館がプレミアムシートと称して高い値段を取っていますが、田舎の古い映画館でも安くなると言うことはありません(名画座系は別)。
ただ、熱心に劇場に足を運ぶ映画ファンの中で定価で見る人はそれほどいないでしょう。金券ショップを利用したり、サービスデーを利用するなどの方策をとっているはず。それが証拠に日本映画製作者連盟のデータでは、実際に映画料金として支払われた額は平均1258円です(2012年)。従って、定価は値上げしないといっても、映画利用者にとっては実質的な値上げに。さらに、消費税は3%しか上がらないのに、こうしたサービス料金は10%も値上げすることになり、便乗値上げのようなものではないでしょうか。
日米の映画業界を比較すると、北米の興行収入は100億ドル(1兆円)、日本の興行収入は1900億円と5分の1.人口が北米が3億5000万人、日本が1億2000万人ですから、あきらかに日本の映画市場の効率が悪い。薄利多売が商売の基本と言いますが、日本も料金値上げに頼るより、もっと料金を多様化して、映画館に足を運ぶ人を増やせば、観客も映画業界も両方喜ぶのに、こんな簡単なことが分からないのでしょうか。今回のサービス料金値上げはこうした方針に逆行しており、普通の人は、ますます映画館への足は遠のくと思います。
2014年03月20日
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