作品情報 2013年イギリス、アメリカ映画 監督:デヴィッド・フランケル 出演:ジェームズ・コーデン、アレクサンドラ・ローチ、マッケンジー・クルック 上映時間:104分 評価★★★★(五段階)鑑賞場所TOHOシネマズららぽーと横浜、鑑賞日4月1日 2014年劇場鑑賞51本目
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【ストーリー】
イギリスの工場町で、携帯電話ショップのアルバイト店員として働くポール(ジェームズ・コーデン)。小太りで内気な彼は子供のころからいじめられ、何をやってもうまくいかなかった。唯一の趣味はオペラを歌うこと。教会の聖歌隊にも選ばれ、嫌なことがあっても歌っていれば忘れられた。
店長のブランドン(マッケンジー・クルック)のいたずらで、メル友の女性、ジュルズ(アレクサンドラ・ローチ)と出会えたポール。彼女の励ましで、地元の演芸大会に出場。最初は「デブがオペラ」など嘲笑をかっていたが、見事優勝し、その賞金で長年の夢だったイタリア留学を果たす。音楽学校でも才能を評価されたポールだが、あこがれのパバロッティ(スタンリー・タウンゼント)に酷評され自信を喪失。ひきこもりになってしまう…
【感想】
ポールは歌声という天性の才能を与えられながら、自信のなさと不運がわざわいして、人生はみじめなものでした。とくにちょっとうまくいきかけたら、必ず、ひどい不幸に見舞われるという七難八苦の人生は、事実を脚色してあるとはいえ、普通の人なら二度と立ち上がることができないでしょう。実際、ポールもどん底まで落ち込んでしまいました。
しかし、生まれて初めて大切な人と出会い、彼女の支えとともに、最後には自分を信じることができ、世界的な大成功につなげることができます。僕らはポールのような才能はないにしても、世の中悪いことばかりではなく、支えてくれる人や、明日への希望があれば、きっと良いことが起きるはずだと、励ましてくれます。自分のやりたい夢をいつまでも持つことの大切さを教えてくれます。本当に、人生に前向きになれる作品です。
劇中、数々のオペラの名作が流れて、どれもすばらしい歌声ばかり。ジェームズ・コーデンってうまいんだな、と思ったら、ポール・ポッツ自身の吹き替えだそうです。ポール自身について、ネットでは日本の音大生以下の実力、なんて酷評している人もいますが、音楽って技術よりも、聞き手をいかに感動させるかが大切なわけで、佐村河内事件もあいまって、日本の音楽界のだめさと、ちょっとのチャンスでも実力を発揮できる欧米との違いをかんじてしまいました。
日本で有名なスターはだれも登場していない地味な映画ですが、配役はみごと。ジェームズ・コーデンはトニー章受賞の実力派で、もともと太めな体型がみごとにオペラ歌手にヒットしていました。また、アレクサンドラ・ローチの微妙な体型ゆえに、親しみがもてる役もおいしい。二人が自分に似た有名人はブラッド・ピットとキャメロン・ディアスとメールでいうところは、思わず笑ってしまいました。
このほか、頑固だけど愛情をもって見守る父親役のローランド・ポッツのラストでの励ましには、同じ父親として、非常に共感しました。悪役顔のマッケンジー・クルックが、実はいいやつで笑いをもっていくところもナイスな配役。クラッシック興味がなくても十分楽しめる作品でしょう。
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