作品情報 2014年日本映画 監督:三浦大輔 出演:池松壮亮、門脇麦、田中哲司 上映時間:123分 評価★★★★(五段階)鑑賞場所ヒューマントラストシネマ渋谷、鑑賞日4月18日 2014年劇場鑑賞56本目
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六本木のマンションの一室にある秘密クラブ。男は2万円、女は1000円で参加でき、一晩、参加者同士で自由にHができる大人の遊び場だ。ニートの青年(池松壮亮)は、なけなしの金を握り締めて、会場に行く。
そこには、平凡な中年サラリーマン(滝藤賢一)、チャラいフリーター(新井浩文)、ケバイ派遣OL(三津谷葉子)、大人しそうな女子大生(門脇麦)ら8人の男女が集まった。初対面で相手の名前も知らないものばかり。最初はぎこちなかったが、やがて身も心も裸になり、欲望をむき出しにしていく…
【感想】
Hなシーンを目当てに行く人は当てが外れるかもしれません。確かに女優陣は一人を除いてヌードになるし、性交渉の場面も何回か映るのだけど、それがメインではないのです。それよりも参加者たちの心理合戦や、こんな条件でも見栄をはってしまう人間のおかしさといったものに重点を置かれています。
たとえば、こんな場所でもいきなり職業や出身地を聞いてしまうサラリーマンの習性や、ガールズトークが始まると、他の女性や男たちなどを無視して盛り上がってしまうなどなど、何気ない日常のやりとりが、こういう場所だからこそおかしくみえてなりません。
さらに、回を重ねていくにつれ、互いのエゴが丸出しに。だれを相手にしたいとか、自分よりもほかの女がブスだとか。こういう場所にいったことがないのでわからないけど、クラブの主催者(田中哲司)は最初に注意事項を棒読みしたあとさっさと消えちゃうし、従業員(窪塚洋介)も、参加者たちのトラブルに慣れっこなのか、全然、相手にしていないし、そうなるとエゴのぶつかり合いしかなくなってくるわけで、ここでも人間の愚かさというのがよく感じられます。
そして、ラストに3つほど隠し玉が用意されており、よく練られたシナリオだなと感嘆しました。原作は岸田國士戯曲賞に輝いた同名舞台劇で、それを手がけた三浦大輔が映画でも監督と脚本を担当しています。自分の作品だけにどこをどうみせればいいのか熟知しており、これが功を奏したといえましょう。最後まで楽しませてくれました。
池松壮亮は、「大人ドロップ」の純情な青年が一転、性欲にぎらつきながらも発散できないニート役。テレビドラマ「MOZU」での殺し屋役もみているので、ほぼ同時に全然違った役柄を3通りも見られました。また、門脇麦もドラマ「ブラックプレジデント」でも女子大生役ですが、こちらは、ヌードで大きな悦び声をだしまくり。2人ともこれからの俳優なのに、体当たりの演技は素直にすごいと思いマスタ。
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