作品情報 2013年韓国映画 監督:チャン・ジュナン 出演:ヨ・ジング、キム・ユンソク、チョ・ジヌン 上映時間:125分 評価★★★★(五段階)鑑賞場所シネマート新宿、鑑賞日4月21日 2014年劇場鑑賞57本目
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【ストーリー】
17歳の少年、ファイ(ヨ・ジング)には5人の父親がいた。ギターを教えてくれたり、運転を教えてくれたり、それぞれの父親にかわいがられて育ったファイ。だが、5人は韓国を震え上がらせた強盗殺人集団「白昼鬼」だったのだ。
父親たちから銃やナイフの使い方を教わったファイ。リーダーのソクテ( キム・ユンソク)は、彼を連れて、地上げを拒否して居座っているヒョンテク(イ・ギョンヨン)を襲いに行く。そして、ファイに引き金を引かせ、ヒョンテクを殺害させた。しかし、ファイは恐るべき事実を知ってしまう。それは彼らの生活を一変させたのだった…
【感想】
育ての親と生みの親はどちらが大事なのか。また、人間はだれしも心の中に怪物を持っているのか。シェイクスピアかはたまたギリシア悲劇か。そんな題材は現在の犯罪映画にもってきてしまうのだから、韓国映画はあなどれない。さらに、こてこてのアクションが楽しめるのです。
自分が親の立場になると、子供を育てる楽しさというのが心から納得できるようになりました。5人の犯罪者は、完全に怪物に近いソクテもいれば、もっと人間らしい心をもったものもいます。彼らにとっても、ファイが息子代わりにいるというのは、わずかに残った人間らしさを感じさせるものだったのでしょう。エンディングロールに流れる童話っぽいイラストがそのことをよけい感じさせました。
しかし、子供はいつかは親離れをしなければなりません。さらに言えば、親というのは子供に乗り越えられる存在なわけです。子供にだしぬかれてもうれしいし、自分の命を投げ出しても子供を救いたい。そんな親子の関係がふとした瞬間に見えてしまいつつも、壮絶な復讐劇に飲み込まれてしまうというのは、映画ならではの醍醐味でした。
ヨ・ジングは子役として多くの作品に出ているそうですが、撮影時15歳とは思えない、すばらしい演技ぶり。アクションシーンはもちろん、内気な少年が復讐に燃えて冷酷な表情に変わっていくさまをみると、彼の演技だけでも見る価値があります。また、キム・ユンソクをはじめ、5人の「父親たち」もそれぞれキャラがよく出ており、見ごたえがありました。
ストーリー的には、死ぬべき人が生き残ったり、警察の空振りぶりにイライラしたりしたし、もう少し工夫があればもっと面白かったろうけど、勢いだけでも十分満足しました。
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