韓国のラブコメ映画「彼女を信じないでください」とか「カンナさん、大成功です」とか好きな作品も結構あるのですが、久々に外れを引いてしまいました。そもそも、映画を通じてその国の文化が推し量れるわけですが、本作をみると、自分の責任を他人に押し付けるのが正義で、人命救助もいい加減にしかやらないといった印象がものすごい。ある意味、今の韓国を象徴しているのかもしれません。
作品情報 2012年韓国映画 監督: チョン・ギフン 出演: コ・ス、ハン・ヒョジュ、マ・ドンソク 上映時間:120分 評価★(五段階)鑑賞場所:シネマート新宿、鑑賞日4月28日 2014年劇場鑑賞59本目
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【ストーリー】
3年前に妻を亡くし、出動中で死に目に間に合わなかった消防署の救助隊員ガンイル(コ・ス)は、それ以来、孤独な生活を送っていた。一方、女医のミス(ハン・ヒョジュ)は、患者の訴えをまったく無視したため医療ミスで患者を死なせてしまい、夫のヒョング(チョ・ギュンフン)から訴えられる。
裁判ではヒョングの評判を落とさないと敗訴になってしまうミスは、ヒョングの妻を搬送中に、ヒョングとガンイルがトラブルになったことを聞きつけ、ガンイルに自分の証人になってもらうよう頼み込む。あっさり断られると、なんと色仕掛けで篭絡しようとたくらむのだった…
【感想】
フィクションにあまり目くじらをたててもしょうがないのだけど、悪質な医療ミスで平然と人を死なせて、反省しないで遺族を悪人にしようという女医がヒロインという時点で、頭が痛くなりました。しかも、ガンイルに相手にされないとストーカーのごとくつきまとう。人が死んだことに関する自分の責任を回避して、相手のミスをでっちあげようという人間が、ラブコメの主人公というのは、他の国ではおよそありえないのでは。
しかも、酔っ払って酒場で隣にいた客に絡んだあげく、自分は警官を色仕掛けで釈放され、巻き込まれた隣の客は留置場に置き去りという、いったいどうすれば笑えるのか分からない、とにかく他人に迷惑をかけても平気という描写にうんざりしました。さらに、消防士、救命士といった職業は人の命を扱うわけなのに、ストーカー女が平気で就職してしまうのは、韓国の救命システムがいかにいい加減に思われているのかと、現実の事故のことも考えながらイライラしました。
こうした点をひとまず置いておいても、邦題の「恋に落ちた消防士」の意味がまったくわかりません。ラブコメでは最初に反発しあった男女が恋に落ちる瞬間をきっちり描くのが定説なんだけど、本作では、まったくそうしたシーンがなし。一応、2人で冷凍庫に閉じ込められるのがそれっぽい場面なんだけど、そんなんで3年も妻のことを思ってた男が恋に落ちるのかね。単に、色香に惑わされ、ストックホルム症候群にかかったとしか見えなかったのだけど。
救助シーンにはそれなりに迫力のある絵を使っているし、ハン・ヒョジュは僕のタイプの美人なんだけど、根本的な設定がひどすぎるし、ラストのとってつけたようなハッピーエンドも白けて流してしまいました。映画館でみてむかついた作品はガッチャマン以来かも。
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