作品情報 2014年日本映画 監督:劇団ひとり 出演:大泉洋、柴咲コウ、劇団ひとり 上映時間:96分 評価★★★(五段階)鑑賞場所:TOHOシネマズ渋谷、鑑賞日5月28日 2014年劇場鑑賞80本目
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【ストーリー】
売れないマジシャンの晴夫(大泉洋)は、自分の人生がうまくいかないのは、生まれてすぐ自分を捨てて家出した母親と、ちゃらんぽらんでどうしようもない父親のせいだと人生をひがんでいた。10年以上音信普通だった父親がホームレスになって川原で野たれ死んだと警察から連絡がくる。
父が死んだという川原にいき、自分の人生を嘆く晴夫に突然、雷が直撃。気がつくと1973年にタイムスリップしていた。途方にくれる晴夫は、マジシャンの腕を生かして、浅草の演芸所に転がり込む。そこで出会った美人の助手悦子(柴咲コウ)に胸がときめく晴夫だったが、若き日の父(劇団ひとり)と出会い、悦子が自分を捨てた母だと気づく。だが、やさしい悦子は到底自分をすてるようにみえなかった。やがて、父とコンビを組んでステージにあがるようになった晴夫だが…
【感想】
予告編をみれば、物語の9割の想像がついてしまう直球の作品。もっと泣けるかと思ったら、各登場人物の描かれ方が浅く、さらに3人の演技が巧すぎるゆえ、隙が感じられず、こちらの感情のひだにはいらなかった気がします。正直、ふーんという感じで終わりました。
例えば、悦子の晴夫に対する思いなり、晴夫の父親へのうらみなりをあと数分でも盛り込んでいれば、こちらの感情も高まったでしょうが、そのへんをかなりあっさり描いているうえ、大泉などの表情でわからせるようにしたため、かえって技巧が鼻につきました。複線のたてかたもそうですね。あまりにもきれいに回収しすぎたような気がします。
3人の中でも大泉の演技はすばらしく、特にクライマックスのステージでの手品の数々は、特訓したんだろうなと感心することしきり。ただ、やはり地味なんですよね。もっと「グランドイリュージョン」のような派手やかさがあれば、他の場面との対比で、ぐっときたろうに。
また、タイムスリップものだから、パラレルワールドにいったなど最大限に好意的に考えたとしても、設定的にいくらなんでもちょっと苦しいと思うところもあったのもマイナス。なんかいろいろもったいない作品でした。
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