作品情報 2013年ドイツ映画 監督:バーナード・ローズ 出演:デヴィッド・ギャレット、ジャレッド・ハリス、アンドレア・デック 上映時間:122分 評価★★★(五段階) 鑑賞場所:TOHOシネマズシャンテ、鑑賞日7月14日 2013年劇場鑑賞118本目
ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください

にほんブログ村
【ストーリー】
超絶的な技巧を持つ天才ヴァイオリニスト、パガニーニ(デヴィッド・ギャレット)。時代は彼についてこれず、売れないバイオリニストのままだった。そこへ、ウルバーニ(ジャレッド・ハリス)と名乗る謎の黒づくめの男が現れ、「世紀のヴァイオリニストにしてあげる」と持ちかける。
たちまち、ヨーロッパ中を席巻したパガニーニ。ロンドンの売れない興行主で指揮者のワトソン(クリスチャン・マッケイ)は彼をロンドンに招くことを思いつく。ロンドンについたパガニーニは、ワトソンの娘のシャーロット( アンドレア・デック)の清らかな性格と音楽の才能に惹かれるが、ウルバーニはそれを苦々しい目で見つめていた。
【感想】
クラシックファン以外はパガニーニのことをあまり知らないでしょう。僕も名前ぐらいしかしりませんでした。彼はあまりにも演奏が見事なので、悪魔に魂を売ってバイオリンの才能を得たという噂が流れ、死後、何十年も教会の墓地に入れられなかったほど。しかし、才能はすさまじく、シューベルトが家財道具を売って、パガニーニのコンサートを見に行ったとか、リストが、自分はバイオリニストになれなれいが、ピアノ界のパガニーニになると決意したなど、多くの偉大な音楽家に影響を与えています。しかし、自分の曲を他人に知られるのを恐れ、死後、多くの曲が散逸。さらに、酒、ばくち、女などで身を持ち崩したこともあり、ミステリアスなイメージをましてしまいました。パガニーニで検索したら、ホラー映画にもなってるみたいですね。
本作は、ウルバーニは悪魔とは断定していないけれど、彼によって栄華と没落がもたらされたとして描かれており、多少、ホラーめいたところもありました。なにしろ、テーマ曲がシューベルトの「魔王」をロック調にアレンジしていたほどですから。そのウルバーニとシャーロットの2人に対するかかわりをもとに、パガニーニの栄光と悲劇を描き出しています。
パガニーニ役がクラシック界のベッカムと呼ばれる天才イケメンヴァイオリニストのデヴィッド・ギャレットですから、狂気の天才に演じるにうってつけ。演奏シーンはとにかく見事。このへんは他の役者ではとても無理でしょうね。クラシックファンならば、ギャレットの演奏を聴くだけでもスクリーンで見る価値があるのでは。
ただ、物語がもっとシリアスに描かれるかと思いきや、どたばたシーンが結構あり、話の焦点が絞られていない感じが。また、ウルバーニの演出も今では当たり前なのだけど、18世紀にこんな演出があったのかなあという感じ。それとも時代は変わっても、マスコミの操作やど派手な演出は必要なのかなあ。音楽だけだと、一般大衆はわからない、というのは自分も含めて、痛いところをつかれた気がします。
【2014年に見た映画の最新記事】