2014年08月21日

マダム・イン・ニューヨーク

 銀座の映画館で人気があったのは知っていたけど、まさか川崎の映画館でも1時間前に売り切れになるほどの人気で驚きました。映画好きの中高年女性にフィットしたタイトルだけど、男性こそみてほしい作品かも。

 作品情報 2012年インド映画 監督:ガウリ・シンデー 出演:シュリデヴィ、アディル・フセイン、メーディ・ネブー 評価★★★★★(五段階) 鑑賞場所:川崎市アートシネマ 鑑賞日8月13日 2014年劇場鑑賞135本目



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 【ストーリー】
 インドの裕福なビジネスマンの妻、シャシ(シュリデヴィ)は料理も育児に完璧にこなす専業主婦。得意のお菓子作りは近所でも評判だ。しかし、夫のサティシュ(アディル・フセイン)は、彼女のことを家事以外は何も出来ないと決めつけ、女子高生の娘サプナー(ナビカ・コティア)も英語が話せない母親を恥じている。

 そんなシャシが姪の結婚式の準備でニューヨークに単身行くことになった。入国審査でとまどい、コーヒーショップでは店員に馬鹿にされ、落ち込むシャシ。たまたま通りがかったバスで、英会話学校の広告を見つけた彼女は、周囲に内緒で通うことにした。

 【感想】
 インド映画というとどぎついアクションと派手な踊りが思い浮かぶけれど、本作はいずれもありません。どこの国にも共通するありふれているけど深い悩みを、暖かく変えていくという物語。観終えたあとに、心が温まること請け合いです。

 僕自身も英語がまったくしゃべれないので、海外旅行のときに入国審査でなんと言えばいいのかドキドキしたり、店員に注文が通じなかったりと似たような経験をしました。それだけにシャシの気持ちが痛いほどよくわかります。しかし、彼女がすごいのは、そこで落ち込んでいるだけでなく、自分を変えようと自分で動いたことです。自分が嫌だったら、変えるのは自分でしかありません。

 そして、人種の坩堝アメリカの素晴らしいこと。アメリカを異邦人の視点でみたらこうなるんだ、と思いました。意地悪な人もいますけど、電車の乗り方が分からない彼女を警備員が案内してあげたり、ささいな親切をしてくれるのもアメリカ人らしい。英会話教室に、アフリカ、韓国、パキスタン、フランス、メキシコと各国の人が集まり、みんな夢のために英語を覚えようと必死になって助け合っている。人種や年齢、男女を乗り越えて友情が生まれる。こういう前向きな空気が普通にあるアメリカという国の強さを感じました。

 周囲から主婦という役割を押し付けられ、それを演じるしかなかったシャシが、周囲と触れ合ううちに、初めて自分がどんな人物か分かるというシナリオは素晴らしい。同時に、彼女の本質が善良で立派な人物であるから、見事に花開くわけです。そこに至るまで、人の悪口をたしなめたり、幼い息子をやさしくそだてたり、といった些細なシーンの積み重ねで、彼女の人間性が浮き彫りになるというシナリオ、演出にも感服する次第です。本作では主婦というテーマにみえますが、だれにでも通用する普遍のテーマですし、逆に、自分が他人をそういう枠に押し付けていないか、気になりもしました。

 また、英会話教室のクラスメートでフランス人シェフのロラン(メーディ・ネブー)とのロマンスも話を盛り上げます。インド映画だから、不倫関係になるとは思っていなかったのですが、男女の友情というのが存在するなと実感しました。あと、白人だと英語がしゃべれると思いがちなのですが、確かにフランスじゃ、英語は公用語でないですよね。その2人がつたない英語で話すときよりも、感情が高ぶって、お互い意味が分からないはずのヒンドゥー語とフランス語でやりとりしたときのほうが、心が伝わるというのも、コミュニケーションの不思議さを感じました。

 シュリデヴィは鈴木京香と鈴木保奈美をあわせたような美人ですが、子育てで休業していて15年ぶりの映画復帰だそう。何と50歳だそうで、とてもそうにはみえない若々しさ。サリーなどの衣装や、インド式の結婚式、そして、時折彼女の心情にあわせるかのように流れる歌など、おしゃれな雰囲気が漂っているのも好感度がアップしました。
posted by 映画好きパパ at 10:23 | Comment(0) | TrackBack(10) | 2014年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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