2014年08月24日

ホットロード

 あまちゃんの能年玲奈の熱演や、三木孝浩監督と山田康介カメラマンの湘南を捉えた美しい映像など、個別のパーツは面白かったのに、いま一つ乗り切れませんでした。少女マンガ原作なので、ヤンキーこそ正義というステレオタイプな設定が腑に落ちなかったのかも。

 作品情報 2014年日本映画 監督:三木孝浩 出演:能年玲奈、登坂広臣、木村佳乃 上映時間119分 評価★★★(五段階) 鑑賞場所:TOHOシネマズ日本橋 鑑賞日8月18日 2014年劇場鑑賞137本目




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 【ストーリー】
 幼いころに父を亡くした14歳の和希(能年玲奈)は、ママ(木村佳乃)が父ではなく、同級生の鈴木(小澤征悦)を愛していたことから、自分は母親に受け入れられていないと疎外感を感じ、学校でも問題行動を起していた。

 ある日、派手な転校生のエリ(竹富聖花)に誘われ、湘南の暴走族「Nights」の集まりにいった和希は、春山(登坂広臣)という少年に声をかけられる。最初は反発していた2人だが、次第に惹かれあっていく。しかし、春山はNightsのリーダーになったため、敵対チームとの抗争に巻き込まれていった。

 【感想】
 暴走族には良い思い出がないので、実は彼らは純粋で良いやつ、というパターンはいま一つのれなかったのが、面白く感じなかった原因でしょうか。お金持ちだけど家庭に問題あるお嬢様が、とんがっているけど、自分には優しくしてくれる不良にメロメロになるなんて、現実ではどこかに売り飛ばされてもおかしくない話ですね。そもそも、人生で一番やりたい盛りの年頃に同棲して何も無かったというのは…。けれども、少女マンガの世界なので、不良もお嬢様のまっすぐさに惹かれてめでたしめでたし。

 ただ、それでも最後までついていけたのは、能年の驚くべき演技力と映画初出演という登坂のオーラのおかげでしょう。能年はあまちゃんでは、天然という感じで演技力のすごさを感じませんでしたが、孤独で内心で叫び声を上げ、ハリネズミのように周囲を警戒している前半が、春山との出会いを通じて人を愛する意味をしっていき、心の痛みが分かっていく様子を演じきりました。序盤は正面からのショットが多かったのが、中盤以降、動きを見せるというのも彼女の演技をよりよく見せていたのかもしれません。

 さらに、木村が親になりきれず、いつまでも精神的には子供のままという母親役になっていました。予告編でも流れていますが、そんな彼女を自分の子供と同じ世代の春山が諭して、初めて子供の大切さがわかって叫ぶというシーンは、親世代からしてなんともいえない気分になります。木村のダメ親ぶりが能年の演技を際立たせたというのもありますね。ただ、能年のナレーションがなんとなくひっかかったのと、いくらなんでも中学生に見えないというのはマイナスだったかも。

 脇は大物はいなかったけど、先輩役の鈴木亮平が、変態仮面ではなく花子とアンのほうの真面目演技でおいしいところをもっていってました。途中から出番が少なくなった竹富もかわいかった。ただ、鈴木さん役の小沢征悦には、警視庁管理官的なドSの演技を見たかったかも。

 舞台が携帯電話がない時代だったり、エンディングで尾崎豊の「OH MY LITTLE GIRL」がフルバージョンで流れるなど、若者だけでなく、おじさんおばさんも狙った作品。興行成績は予想を上回っているので、それも功を奏したのでしょう。まあ、悪い映画ではないので、あとはヤンキーが好きかどうかなのかもしれません。


posted by 映画好きパパ at 09:08 | Comment(0) | 2014年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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