2014年09月10日

プロミスト・ランド

 基本的に自分の好まないプロットですが、ガス・ヴァン・サント監督なら何とか面白いものにしてくれるかも、と期待していきました。実際、終盤までは巧いと思わせる場面があったものの、ラストでがっかりした作品になっており、残念でした。


 作品情報 2012年アメリカ映画 監督:ガス・ヴァン・サント 出演:マット・デイモン、ジョン・クラシンスキー、フランシス・マクドーマンド 上映時間106分 評価★★★(五段階) 鑑賞場所:TOHOシネマズシャンテ 鑑賞日9月4日 2014年劇場鑑賞152本目



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 【ストーリー】
 大手エネルギー会社の幹部候補生スティーヴン(マット・デイモン)は同僚のスー(フランシス・マクドーマンド)とともに、マッキンリーという田舎町にやってきた。シェールガス採掘のために、土地を確保するのが仕事だ。

 大金を約束して、順調に仕事を進めるスティーヴンたちだが、思わぬ障害が立ちはだかる。高校の科学教師のフランク(ハル・ホルブルック)が、採掘に伴い環境汚染ができると反対。さらに、かつて、スティーヴンの会社に被害を受けたという環境保護活動家のダスティン(ジョン・クラシンスキー)も街にやってくる。窮地に陥ったスティーヴンたちだが…

 【感想】
 全体的に抑制されたテイストで、貧困に悩むアメリカの農村地帯を描いている前半は好感をもてました。アメリカは日本以上に格差が激しく、映画の中でも言われていましたが、農村地帯で高卒しか学歴がないと、一生、負け組みです。したがって、土地の売却代金や補償金で大金を儲けるということは、一生に一度のチャンスなわけです。その一方で、先祖伝来の土地を手放すわけですし、公害も怖い。その葛藤をつけこみ、しかも、農村を善意で救おうとするスティーヴンは反対派にも紳士的に向き合い、それがかえって現実感をだしていました。映像も見事でした。

 ただ、気になったのが、スティーヴンはアイオワの農村出身で、これまでも農民の気持ちが良く分かったため買収工作がうまくいっていたという設定がいかされていないこと。スティーブンよりもダスティンのほうが住民に溶け込み、反対運動のほうが先行します。さらに、どうみてもスティーヴンよりスーのほうが有能で、何で彼が幹部候補生なのかというのも理解に苦しみます。

 それはさておき、中盤、ダスティンたちに反対運動をリードされたスティーヴンたちは、逆転の手を考えていきます。さもありなんと思うのだけど、一番、不思議だったのが、スティーヴンたちは公害はないと信じきっていたこと。これは日本の公害企業なんかも社員はそうだったのでしょうかね。ただ、フランクのセリフにあるように、今はネットで簡単に検索できるから、会社側を純粋に信じ込むというのは、スティーヴンが無邪気すぎる気がしますし、製作、脚本も共同で手がけているマット・デイモンというスターを悪役にしたくないという意図を感じてしまいました。もっとも、ジョン・クラシンスキーも製作をかねていますが。

 マクドーマンドと地元の美人教師アリス役のローズマリー・デウィットの女性陣は好演していますが、端役の農村の住民たちまでちゃんと背景を書き込まれているようにみえたのはさすが。

 それなのに、終盤にある出来事で盛り上げたと思ったら、クライマックスは僕の嫌いなパターンになりがっかりです。なぜかというのはネタバレに。それにしても、お金は大切という作品が今年に入って多くみている気がするのはなぜなのかな。












以下ネタバレ

 クライマックスでスティーヴンは町の住民のある行動をみて、ある決意をするのですが、そんなので心うたれるって、小学生かよwww というレベル。さらに、前半で街がお金か自然か単純に答えが出ないのに悩んでいるのに、あっさりと正義の味方風に解決して、反対派の美人としけこむというのはこれはどうよ。スティーヴンたちに説得されて、子供を進学させたいとか、新車を買いたいとか思っていた人たちは、骨折り損なわけじゃないですか。こういう主人公だけよければ良いという、単純な結末になるとは、思ってもみませんでした。
posted by 映画好きパパ at 08:38 | Comment(0) | TrackBack(9) | 2014年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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