作品情報 2012年アメリカ映画 監督:ノア・バームバック 出演: グレタ・ガーウィグ、ミッキー・サムナー、アダム・ドライバー 上映時間86分 評価★★★(五段階) 鑑賞場所:ユーロスペース 鑑賞日9月20日 2014年劇場鑑賞165本目
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映画リンク集-シネマメモ
【ストーリー】
NYでバレエ団の研修生をしているフランシス(グレタ・ガーウィグ)は親友のソフィー(ミッキー・サムナー)とルームシェアしている。彼女との友情を壊さないために、彼氏のダン(マイケル・エスパー)と別れたその当日、ソフィーが別居しようといってくる。
一方、バレエ団もいつまでたっても正団員になれないまま、次の巡業にも参加できなくなる。いつまでも若いつもりのフランシスだが、27歳にもなると、周りはそうは思ってもらえず…
【感想】
27歳といったら立派な大人のはずなのに、いつまでも学生気分のまま。だから、彼女が街を走るシーンは躍動感にあふれているけれど、それって大人の女性ではないということですね。27歳だったら、IT企業の社長もごろごろしているわけですから、モラトリアム気分でいるというのはいかにも幼い。でも、うらやましいですね。
お話自体はどこにでもありそうな話。フランシスは男よりも女との友情をとるものの、レズビアン的な感情というよりも、ありのままの自分をさらけだせる楽さが快適ということなのでしょう。でも、ソフィーはいつまでも、そうしてられないことが分かっていて、自立の道を歩み始めます。このあたりの描き方は実に巧い。
また、フランシスが天然も入っていてどこか空回りばかりしているというのも、面白い。年相応の成熟さがないというのはやはりダメなのでしょうね。でも、フランシスが男と対等の友情を成立させているというのも、未成熟だからこそできるのかもと考えるとおもしろい。成立させる美人とはいえ、ゴツゴツして可愛げのないフランシスが、やがて、どんどんいとおしくなってきます。ラストのタイトルの意味が分かるところなどは、本当に巧いとうならされました。
グレタ・ガーウィグは「ローマでアモーレ」でみているのだけど、あまり印象が無く、実質的に今作で初めてみた感じ。共同脚本も手がけているので、自身の体験もはいっているのでしょうか。ミッキー・サムナーは初めてだけど、スティングの娘だそうで、女性ならではの感性を、洋の東西を越えて感じさせてくれる作品。ただ、大人の恋に関心のない男性がみると、もう少し起伏があってもよかったかもしれません。
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