2014年09月28日

がじまる食堂の恋

 沖縄・名護を舞台にした、スローライフチックなラブコメで、まったりとした雰囲気は悪くは無いのですけど、せっかく名護を舞台にしているのだから、基地問題とか少し社会派チックにしてよかったかも。日本では社会派ラブコメって見当たらないですよねえ。

 作品情報 2014年日本映画 監督:大谷健太郎 出演:波瑠、小柳友、桜田通 上映時間98分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所:シネマート新宿 鑑賞日9月22日 2014年劇場鑑賞166本目



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 【ストーリー】
 名護で亡き祖母がやっていた食堂を一人で切り盛りしているみずほ(波瑠)がバス停でバスを待っていると、タクシーから妙になれなれしい青年隼人(小柳友)が降りてきて、初対面なのでいきなり金を貸してくれと頼んできた。旅行中に有り金を全部盗まれたという隼人のペースに巻き込まれて、お金を貸すだけでなく、食堂での寝泊りを許すことに。

 そこへ、みずほの元カレで売れない画家の翔太(桜田通)が5年ぶりに東京から戻ってきた。動揺したみずほは、つい、隼人に恋人のふりをしてほしいと頼んでしまう。翔太はモデルのバイト莉子(竹富聖花)といちゃいちゃしており、みずほの心は揺れ動く。

 【感想】
 単なるラブコメかと思いきや、途中で隠し玉があり、ラストまでほんわかしながら、意外性が楽しめる作品です。恋に破れて、日々をなんとなく暮らしていたみずほが、元カレと謎の美青年という2人によって非日常の世界に入っていくというストーリーも、ウエルメイドで、特に女性客にとって楽しめるでしょう。

 登場人物も魅力的で、初主演の波瑠をはじめて、これからが楽しみな4人の俳優がそれぞれキャラ立ちをみせています。故郷にとらわれてしまうみずほと、東京で活躍する隼人、東京で夢破れて沖縄に戻ってきた翔太、思い出の地・名護を旅行する莉子それぞれ、見ていていとおしくなる設定でした。もちろん、映画らしいわざとらしさはありますが、それも含めて、心がほっこりす物語です。

 波瑠は等身大の女性の役をみずみずしく演じていました。彼女の心の揺れ動きが手に取るようにわかるよう表情も豊かで、ファンならずとも好感をもてるでしょう。また、隼人の一見にやけながらも心の奥底に傷ついた演技を小柳がしっかり表現しており、あまり代表作がなかった彼にとってメルクマール的な作品になったのでは。桜田と竹富は役柄からいって、2人ほどのおいしさはないですが、波瑠と小柳がその分、うまく引き立てていた感じです。

 名護のまちおこしプロジェクトとして生まれた作品とはいえ、無理やり地元の特産などを出すことも無く、すんなりと沖縄の雰囲気を楽しめるという意味では「二つ目の窓」(あれは奄美ですが)よりもしっくりきました。そのうえで、がじゅまる食堂のおいしそうなメニュー、特に「おばあのがじまるそば」は食べたくなるなあ。
posted by 映画好きパパ at 07:49 | Comment(2) | TrackBack(0) | 2014年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いやあ、軍事恋愛ドラマは難しいでしょ。
東京から帰ってきた男(内閣諜報室派遣諜報員)、東京から来た男(中国工作員)、東京から来た少女(北朝鮮工作員)、そしてダンディ坂野ら三人(米軍から小遣いを貰って情報を売っている沖縄県民)。
あ、できそうだ。
キュンキュンしなくなりそう。
Posted by ふじき78 at 2014年10月27日 10:10
ハリウッドにしろ、韓国にしろ、社会は混ぜた恋愛ドラマがうまくできてますからね。自衛官と反対派に引き裂かれるヒロインとか。まあ、そこまでいったら別物になるので、この作品はこれでいいと思いますが、名護というと基地問題というのがすぐ思いついたもので…
Posted by 映画好きパパ at 2014年10月27日 11:38
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