作品情報 2014年日本映画 監督:吉田大八 出演:宮沢りえ、池松壮亮、田辺誠一 上映時間126分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所:109シネマズグランベリーモール 鑑賞日11月22日 2014年劇場鑑賞191本目
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映画リンク集-シネマメモ
【ストーリー】
1994年、銀行の契約社員の梨花(宮沢りえ)は、エリート会社員の夫・正文(田辺誠一)との関係にむなしさを感じていた。表面上は優しい夫だが、人の気持ちに鈍感だったのだ。
外回りの仕事に打ち込んでいた梨花は、ある日、得意先の孫の大学生・光太(池松壮亮)から声をかけられ、深い仲に陥ってしまう。得意先からの帰りに、化粧品を買おうとして手持ちが足りなくなった彼女は、つい顧客から預かったお金から1万円を使い込んでしまう。そのことが、彼女の転落のきっかけだった。
【感想】
NHKドラマはみていますが、友人を削って同僚をいれるなど、かなりの変更がありました。原作は未読。人の幸不幸は主観的なものだから、梨花が不幸だと感じるのは勝手だけど、ものすごく豊かな生活をしていて、夫から暴力もなにもうけていないのに、不幸のヒロインのように感じているのは、ちょっとひいてしまいました。びっくりしたのが、3万円の時計をプレゼントしたときに、安物だという感覚。時代がバブル直後だったから、まだまだそんな感覚なのですかねえ。
だから、若い大学生に走り、彼に貢ぐために銀行の金を使い込んでも、バカな女としか思えないんですよね。NHKドラマをみたときにもおもったけど、金持ちのボンボン(女)の自分探しというのは、勝手にやってくれという感じ。お金があれば自由になるとおもうのだけど、それを理由なしに否定されても…
ただ、実際にそういう女がいたというのも事実で(三和銀行横領事件がモデル)、宮沢りえの演技は、梨花の心の空虚さと揺れというのをよく描いていました。また、同僚より子役の小林聡美と相川訳の大島優子が儲け役。仕事一筋の人生で自分の心を押し殺しているなかで、梨花への羨望がどこかにあるより子と、小悪魔的で偽悪的な言動を続けながらもおいしいところを持っていく相川。宮沢を含めた3女優が人間のずるさ、愚かさといったものをあらわしてくれます。田辺のぬえのような演技もグッドだし、池松の捨てられた子犬のような表情も良く似合っていました。
予告編にもあるクライマックスのより子と梨花の対峙から、賛美歌をバックにした一連のシークエンスは印象的ですし、中盤にある、梨花の空虚さを描く、銀行での彼女の動きをワンカットで撮る方法も見事だと思います。でも、本当に、金持ちってわがままだな、という小学生並みの感想しかなくて。映画ではお金を否定的に描いていましたが、金があれば自由になれると思いますよ。
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