2015年01月09日

バンクーバーの朝日

 2014年にみた最後の作品。戦前のカナダにあった野球チームの実話をもとに、野球にとどまらず、差別に苦しみながらも生きる日系人たちを描いた作品。真面目に淡々と描くのは石井監督の作風ですが、ちょっと範囲が広すぎて散漫になったかも

 作品情報 2014年日本映画 監督:石井裕也 出演:妻夫木聡、亀梨和也、佐藤浩市 上映時間133分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 鑑賞日12月30日 2014年劇場鑑賞207本目



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 【ストーリー】
 戦前のカナダ・バンクーバー。数ヶ月働けば裕福になれると聞いて大勢の日本人が移民としてきたが、低賃金による過酷な労働に甘んじ、人種差別の迫害をうけていた。そんな彼らの心の支えは、日本人野球チームの「バンクーバー朝日」だった。だが、体格のいい白人たちにはかなわず、チームは連戦連敗だった。

 チームのキャプテン、レジー笠原(妻夫木聡)は孤立がちのエース、ロイ(亀梨和也)、血の気の多いケイ(勝地涼)らをまとめるのに必死だった。あるとき、レジーは白人選手が動作が鈍く、頭脳と小回りの野球で立ち向かえることに気づく。

 【感想】
 チームの主力選手それぞれに事情があるのだろうけど、尺の関係でレジーの家族だけしか描かれないのはやむをえないとしても、それなのに日系人全体の問題に敷衍しようとするのはちょっときつかった。名手・奥寺佐渡子の脚本にしてはちょっと厳しかったかも。

 また、石井監督は語り口を抑制的にするのが作風とはいえ、あまり観客の智識がない戦前のカナダを観客の想像だけで考えさせるのはちょっと難しかったかも。結局、ありきたりの差別の描写しか受け止められない。でも、本当はもっと奥深いテーマのような気がしました。

 野球の経験者を集めたプレイシーンは、きっちりプレイしているようにみえたけど、最初の1試合はともかく、あそこまで勝ち続けるというのは、映画的な描写としかみえません。
 
 まあ、文句をつけたけど、若手とベテランのうまく融合した演技は見ごたえはありましたし、栃木にたてたというオープンセットもまるでカナダでロケしているようにみえた、邦画では珍しい力作です。難しいテーマに挑戦した製作陣にも敬意を表したいと思います。

 なお、タイトルからしてテレビ朝日の製作かとおもったら、フジテレビの開局55周年記念なんですね。
posted by 映画好きパパ at 06:44 | Comment(0) | TrackBack(5) | 2014年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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