作品情報 2014年日本映画 監督:廣木隆一 出演:染谷将太、前田敦子、イ・ウンウ 上映時間135分 評価★★★(五段階) 鑑賞場所:シネリーブル池袋 鑑賞日1月30日 2015年劇場鑑賞10本目
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映画リンク集-シネマメモ
【ストーリー】
新宿歌舞伎町のラブホテル。店長の徹(染谷将太)は一流のホテルマンだと同棲中の恋人の沙耶(前田敦子)に嘘を言って、場末のラブホテルに勤めていることを隠している。バンドでプロになるのが夢の彼女との間も倦怠感が漂っている。
ラブホテルの従業員や客は一癖もふた癖もある人がそろっていた。2日後に帰国する韓国人ヘルス嬢のヘナ(イ・ウンウ)、家出少女を甘い言葉でだまして売り飛ばすチンピラの正也(忍成修吾)、時効間近の指名手配犯(松重豊)と暮らす従業員の里美(南果歩)などなど。トラブルの連続に徹もうんざり。そこへ、レコード会社のプロデューサー(大森南朋)と沙耶が連れだって現れ…
【感想】
冒頭、徹と沙耶の倦怠感あふれるカップルから、徹がホテルに出勤するとともに、主要登場人物が紹介されるシークエンスはぐっとひきつけられました。染谷の素にも見える演技と、歌手を夢見るけど売れなく将来が不安になっている前田敦子の掛け合いは、お見事。また、ヘナが出勤する横で、ヘイトスピーチのデモ隊が大声を上げる社会風刺も、大げさにしていない分、今の日本を切り取っているようで期待が高まります。
しかし、その後のストーリーが今ひとつ。基本的にラブホテルで、出会うはずのない人が出会ってオタオタするの繰り返しであり、そういうのが1つ2つだったら物語として盛り上げるのだけど、そればかりでは、おなかいっぱい。正直、警察カップルの話などいらないと思いました。もっとも、前田敦子がヌードになるわけないから、ヌード要員として、河井青葉を起用したのかもしれませんが。
また、震災で実家が被災して学費が稼げずAV嬢になったとか、児童虐待で家から追い出されて、住む場所もなく男を相手にしてお金を稼いでいるとか、それぞれ掘り下げれば深いテーマなのに、あっさりと流してしまう上、同じような話の繰り返しに埋もれてしまい、まったく印象に残りません。むしろ、単に時間稼ぎのためにこういう不幸話を羅列しているふうにすらみえます。
一番良かったのが、「メビウス」でも大活躍だったイ・ウンウの片言の日本語による演技。彼女をめぐる物語にもっと絞っていっても良かったのでは。彼女を筆頭に、嫌みな業界人の大森、主役ながら狂言回しともいえる染谷、出番は少ないながらも存在感をみせる前田など、俳優陣は好演しているだけに、偶然の連続の脚本を何とかしてほしかったな。
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