2015年03月03日

愛して飲んで歌って

 2014年3月に91歳で亡くなったフランスの巨匠、アラン・レネ監督の遺作。これが、なかなかぶっとんだラブコメで、新藤兼人監督の晩年の作品にも思ったのだけど、もう90歳過ぎた監督は、映画の文法とか関係なく、好き放題作れるのかもしれません。

 作品情報 2013年フランス映画 監督:アラン・レネ 出演:サビーヌ・アゼマ、イポリット・ジラルド、カロリーヌ・シオル 上映時間:108分 評価★★★(五段階) 2014年試写16本目 2月14日公開



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映画リンク集-シネマメモ
 【ストーリー】
 イギリスのヨークシャー。医師のコリン(イポリット・ジラルド)は浮かない顔しているのを不思議に思った妻カトリーヌ(サビーヌ・アゼマ)はコリンを問いただし、コリンの友人であるジョルジュが末期がんであることを知る。ジョルジュはカトリーヌの若い頃の恋人だったが、コリンはそのことを知らなかった。

 おしゃべりなカトリーヌは早速、ジョルジュの親友であるジャック(ミシェル・ヴュイエルモーズ)とタマラ(カロリーヌ・シオル)夫婦に伝えてしまう。ジョルジュとジャック夫婦、カトリーヌは地元の素人演劇で芝居をしていたが、タマラとジョルジュのラブシーンがあり、彼女は浮気ばかりしているジャックへの不満もあり、ジョルジュとの距離が接近していく。一方、ジョルジュの妻モニカ(サンドリーヌ・キベルラン)は彼に愛想を尽かし、家出をしていたが、ジャックはモニカにジョルジュの看病を要請する。カトリーヌとタマラもジョルジュのために、尽くそうとして…

 【感想】
 よく、ハリウッド映画で舞台がドイツやフランスなのに台詞が英語という作品がありますが、本作はその逆で、舞台がイギリスなのに台詞はすべてフランス語。しかも凄いのは、イギリスの美しい風景だけが映し出されたあと、いきなり登場人物たちの場面に切り替わると、そこは明らかに舞台のセットみたいになっているのです。その繰り返しが延々と。さらに、主人公たちの家が空から映るシーンは、かわいいアニメになっています。

 しかも、登場人物はコリン夫婦、ジャック夫婦(ラストに娘がちょっと出てくる)、モニカと彼女の恋人シメオン(アンドレ・デュソリエ)だけ。そのほかの登場人物は出演者からは見えるけれど、観客からはみえない存在になっているのです。出演者がこちらに向かって話しかけるときは、こちらに、その登場人物がいるということだし、効果音に対して、出演者が一方的にしゃべったりして、なんとも不思議な作品です。特に主役的存在であるジョルジュがまったく映らないというのは斬新でした。

 また、出演者が一方的にまくしたてるシーンがあるのですが、そのときは出演者がバストアップになると同時に、背後に効果線のようなものがでて、とにかくシュールな図柄。本作が若手の気鋭監督に送られることが多いベルリン映画祭の銀熊賞を受賞したのもわかります。それこそ、60年代、70年代の実験的な作風を、現在によみがえらせたという感じでしょうか。

 ストーリーはいかにもフランス人好みで、プレイボーイをめぐる女の鞘当劇。浮気夫が妻にこっそり復讐されたり、ブラックなユーモアも盛り込まれています。また、もて男のジョルジュがだれを選ぶのかというのも一応見所。ただ、シェークスピアの喜劇的な古めかしさすら感じてしまい、こういう映画って、リア充のオジサマかマダムでないと、面白みが分からないかも。僕にはちょっと不向きでした。
posted by 映画好きパパ at 00:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 2014年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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