作品情報 2014年日本映画 監督:チアン・ショウチョン 出演:永作博美、佐々木希、桜田ひより 上映時間118分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 鑑賞日3月8日 2015年劇場鑑賞26本目
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【ストーリー】
能登半島の先端、石川県珠洲市の寂れた浜辺。吉田岬(永作博美)は幼いころ分かれた父(村上淳)が、8年前に漁に出たまま行方不明になり、失踪宣告を受けたことを知る。唯一の遺産として、浜辺の古びた船小屋があり、岬はそこに焙煎珈琲店“ヨダカ珈琲”をオープンした。
そのすぐ前にある休業中の民宿には、シングルマザーの山崎絵里子(佐々木希)が小学生の有沙(桜田ひより)、翔太(保田盛凱清)と親子3人で暮らしていた。夜の仕事をしている絵里子はなかなか子どもたちの面倒を見られず、空腹に耐えかねた姉弟はスーパーで万引きを図ったところを岬に目撃されてしまう。有沙の担任の城山(臼田あさ美)が珈琲店の常連となったこともあり、子どもたちが気になる岬は…。
【感想】
劇中、考えていたのは子どもの貧困の問題でした。絵里子は、夜の仕事のため、金沢まで働きにでかけており、夜を子どもだけで過ごすこともしばしば。しかも、カップラーメンを与えているだけで、一種のネグレクトといえます。しかし、行政などに敵意をもやしており、当初、岬のことを民生委員と勘違いして、けんか腰になります。
貧しいのだったら、素直に周囲を頼ればいいのに、妙なプライドが邪魔をして、周りを敵としか見ない。それでいて、ろくでもない男(永瀬正敏!佐々木希の胸を触れたのはうらやましすぎ)にすがりついてしまう。日本はセーフティーネットがアメリカなんかよりしっかりしているから、行政を頼ればいいのに、子どもの貧困の問題がつきないのは、親が精神的に自立していないからではと実感しました。佐々木希のような美人だから、やわらぐものの、渡辺真起子のような迫力顔の女優が演じていたら、同情をえられなかったでしょう。
一方、城山のいい人なんだけれど、事なかれ主義で、対応が後手後手にというのも非常にリアル。行政側が面倒をみるのでなく、家庭の責任者であるシングルマザーがSOSを上げないと、感情面でもこじれてしまうと思います。映画だから、岬というスーパー何でもできる女性が現れて、有沙たちを救ってくれますが、現実の有沙のような子どもたちには、こうした救いが現れないというのもなんともいえない気持ちになります。
城山が性格的にも能力的にもすごすぎる岬ですが、永作がすっぴんで、存在感をしめしたから、何とか受け入れられることができました。佐々木も、こういうヤンキー的な演技ははまっていました。何よりよかったのが桜田ひよりをはじめとする子役たち。この作品の主役は子どもたちといっても良いのではないでしょうか。
監督は台湾の若手だそうですが、KANOで台湾でも大スターになった永瀬を、こんなひどい役につかうとは笑ってしまいました。また、それまでの流れから、セクシーシーンがみられるかと思ったら、××の裸だったというのも大笑い。淡々と流れる話だけに、真面目な顔で外してくれるというのもツボにはまってしまいました。
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