2015年05月03日

インヒアレント・ヴァイス

 現代アメリカを代表する作家、トマス・ピンチョンの小説をP・T・アンダーソン監督が忠実に映画化した作品。正直、70年代アメリカの雰囲気に興味がないので、ついていくのが苦しかった。

 作品情報 2014年アメリカ映画 監督:ポール・トーマス・アンダーソン 出演:ホアキン・フェニックス、ジョシュ・ブローリン、リース・ウィザースプーン 上映時間148分 評価★★(五段階) 鑑賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 鑑賞日4月30日 2015年劇場鑑賞51本目



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【ストーリー】
 1971年、ヒッピー文化や黒人過激派の痕が残るロサンゼルス。ドラック中毒の私立探偵ドッグ(ホアキン・フェニックス)の前に、昔の恋人シャスタ(キャサリン・ウォーターストン)が突然現れる。今は大金持ちの不動産屋ミッキー(エリック・ロバーツ)の愛人となっている彼女は、ミッキーが妻のスローン(セレナ・スコット・トーマス)に狙われているので、調べて欲しいともちかける。

 さっそく調査に乗り出したドッグだが、何者かに頭を殴られ気絶。起きたときに隣にミッキーのボディガードの死体が転がっていた。さらに、ミッキーとシャスタも行方不明になる。ドッグの天敵、ロス市警のビッグフット警部補(ジョシュ・ブローリン)は、殺人犯としてミッキーを逮捕するが、弁護士のソンチョ(ベニチオ・デル・トロ)の活躍で釈放される。情事の相手でもあるペニー検事補(リース・ウィザースプーン)から情報も得ながら、ドッグは真相を追及していく。

 【感想】
 ドラッグ、ヒッピー、反権力、人種差別などなど、70年代のアメリカ西海岸の雰囲気が詰め込まれた作品。サイケデリックなのはファッションだけでなく、ライティングなどにも反映されており、当時を知ったり、この時代が格好良いと思う人にはたまらない作品なのでしょう。

 でも、僕はその時代に興味はありません。さらに、ストーリーもわかりにくい。もともと現代文学は苦手で、ピンチョンは最初の数ページをめくっただけで挫折したこともあり、正直、この作品がなんでこんなにもてはやされるかはよく分かりませんでした。ピンチョン原作でなければ、アカデミー賞脚色賞候補にもならなかったんじゃない気がします。

 もちろん、様式美みたいなものははっきりと感じました。例えば、ドッグとビッグフットの関係はルパンと銭形警部のような、ある種おなじみなものですし、ファムファタール的な昔の恋人など、ハードボイルドへのオマージュにあふれているというのは、ファンにとってはたまらないでしょう。

 役柄はみなはまっていて、ドッグとビッグフットの思いがけない関係をホアキンとジョシュが好演しています。また、お堅い職業にありながら、クスリ漬けの私立探偵と情事に走るエリートのリース・ウィザースプーンも、意外な役柄が案外はまってました。キャサリン・ウォーターストンのセクシーぶりも、こりゃ、ドッグがめろめろになるのも分かります。

 だから、筋を追うのではなく、雰囲気にひたりたいのならば、十分に合格です。変な日本語もでてきますし「もっとパンケーキ!」 でも、いかにもな感じのストーリーと、70年代風のユーモアというのが僕にはあいませんでした。


 
posted by 映画好きパパ at 00:02 | Comment(0) | 2015年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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