2015年05月19日

百日紅〜Miss HOKUSAI〜

 実在した葛飾北斎の娘お栄を主人公に、江戸末期の生活を淡々と描いたアニメ作品。起伏はないし、短編集という感じで、みている最中はあまり評価できなかったのだけど、終わってみるとどこか心に引っかかる作品です。

 作品情報 2015年日本映画 監督:原恵一 声の出演:杏、松重豊、濱田岳 上映時間90分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所:TOHOシネマズ日本橋 鑑賞日5月13日 2015年劇場鑑賞63本目



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 【ストーリー】
 江戸末期、浮世絵師・葛飾北斎(声・松重豊)の娘お栄(杏)は、絵師としての才能もあり、父の下で代筆を勤めていた。がらっぱちで男勝りのお栄だが、まだ、恋愛したことがないのに枕絵を書かされ、美人画はうまいのに、男の表情はからっきしと酷評される。

 北斎の長屋に居候する絵師志望の善次郎(濱田岳)とともに、絵を描くこと以外は能力のない3人はその日暮らしの生活をしていく。だが、北斎の末娘で生まれつき盲目のお猶(清水詩音)に会おうとしない北斎に、お栄はいらだちを隠せないのだった。

 【感想】
 原作漫画は未読ですが、回ごとに主人公が変わる短編集。映画はそれをお栄の目から全部みることにしています。それぞれ膨らませれば良いエピソードもぶつぎりで、最初は不満でしたが、そこがまたあとになってスルメをかみしめるがごとく、味わいがでてきます。また、吉原をはじめとした当時の風俗や北斎家になついた子犬なども時代を丹念にすくいだしていると感じました。

 現代と違って怪かしが普通だった江戸時代のためか、妖怪じみた話もでてきます。また、お猶を巡るエピソードは、彼女に対する北斎の態度も含めて、死が密接な時代だっただけに、当時の死生観のようなものを教えてくれます。原恵一監督作品だけあって、日常と異常のボーダーのところを描くのはお手の物です。

 普段はどことなく抜けた3人も、絵が絡むと狂っているというのも、芸術家らしさがあったおもしろい。「ブラックスワン」のようにまじめすぎて突き抜けた作品ができないというのは女性を主人公に据えたいものなのでしょうかね。北斎にかなわずとも、絵師として名を残そうとするお栄には、父娘のある種理想の形があって、うらやましかったです。

 杏と松重は、フジテレビの「デート」でも親子だったので息はぴったり。正直、有名俳優を並べる手法は好きではないのですが、逆に声優を中心にして、あまりにもなめらかすぎるというのも、この作品にはあわない気もするので、これはこれでありかな。声優では「クレヨンしんちゃん」シリーズをとっただけあって、しんちゃん役の矢島晶子らがちょい役ででていますが、いわれるまで気づきませんでした。
posted by 映画好きパパ at 06:27 | Comment(0) | TrackBack(13) | 2015年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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