2015年06月13日

サンドラの週末

 社会の底辺の人々を描くダルデンヌ兄弟の監督作品に、トップスターの マリオン・コティヤールでは華やかすぎるのではと思いきや、オーラを完全に消し去って、サンドラになりきっていたのは見事。オスカー候補になるだけのことはあります。ただ、フランス映画特有の淡々とした演出は苦手で、途中、睡魔との戦いに必死でした。

 作品情報 2014年ベルギー、フランス、イタリア映画 監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ 出演:マリオン・コティヤール、ファブリツィオ・ロンジョーネ、クリステル・コルニル 上映時間95分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 鑑賞日6月6日 2015年劇場鑑賞83本目



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 【ストーリー】
 田舎町の工場で働くサンドラ(マリオン・コティヤール)は鬱病にかかり、休職していた。ようやく職場に復帰しようとするが、彼女が休んでいる間、契約社員を雇ったため仕事に支障はなく、会社側は彼女をクビにしようとする。

 交渉の末、従業員16人の投票で彼女が残れるかどうかが決まることになった。だが、彼女を残す場合、資金繰りが苦しい会社はボーナスを支給しないという。月曜日の投票を前に、サンドラは週末、同僚の家を一軒ずつ回って、説得を試みる。

 【感想】
 日本の労働者は守られすぎているとか、もっと雇用を流動化しないとダメなんて、したり顔でいう学者や評論家をみると、ヘドが出そうになります。こうした状況が日本よりもヨーロッパのほうが進んでいるというのは驚きました。

 従業員にも生活があります。普段の給料が低いだけに、ボーナスをあてにしてしています。同僚とはいえ赤の他人のために、自分の生活を犠牲にできるのか。僕自身だったらどうなるか、考えさせられました。鬱病はだれもがかかりえる病気とはいえ、発作を目の前でみせつけられて、それでも自分の家族や家よりも優先するというのは、きれいごとでしかありません。でも、きれいごとをいわなくなった社会こそ、嫌な社会はないというのもまた事実。

 会社がクビを言い渡すのに対して、従業員側が団結するというストーリーの作品はこれまでもありました。しかし、今はより巧妙になっており、弱者を分断させるのですよねえ。従業員の半数がクビに賛成したといえば会社側はすこしも傷つかないわけです。もっといえば、こんな田舎町の工場でも、グローバル化にのまれて、こうでもしないと生き残れない、大変な時代になってしまいました。

 ストーリー自体は単純です。サンドラも病みあがりということもあり、対人恐怖症的側面があって、説得といっても雄弁をふるうのではなく、あうことすら苦痛の様子。それだけに、弱い者がさらに弱い者をたたくという描写にいたたまれなくなりそうになります。

 マリオン・コティヤールのタンクトップのシャツは、胸の谷間が気になりましたが(笑)、下層の女性のぼろぼろの精神がファッションにも現れてるようでした。また、家庭で問題がありつつも、しっかりと妻を支える夫役のファブリツィオ・ロンジョーネの渋い演技もいいです。いつ日本で自分の身にかかってきてもおかしくないとおもいつつ、やはりお金は大切だから、自分で自分の身を守るしかないと痛感させられます。
posted by 映画好きパパ at 07:04 | Comment(0) | TrackBack(11) | 2015年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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