作品情報 2015年デンマーク、イギリス、南アフリカ映画 監督:クリスチャン・レヴリング 出演:マッツ・ミケルセン、エヴァ・グリーン、ジェフリー・ディーン・モーガン 上映時間93分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所:新宿武蔵野館 2015年劇場鑑賞99本目
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1871年、戦争で荒れ果てたデンマークからアメリカに渡った元兵士のジョン(マッツ・ミケルセン)は、ようやく生活が安定したため、故郷から妻のマリー(ナナ・オーランド・ファブリシャス)と幼い子供を呼び寄せた。
7年ぶりの再会に喜ぶ一家だったが、駅馬車で家に向かう途中、2人組のならずものに襲われ、妻子は帰らぬ人に。怒りに震えるジョンは2人を倒すが、1人が付近を牛耳る黒幕のデラルー大佐(ジェフリー・ディーン・モーガン)の弟だったため、壮絶な戦いが始まる。
【感想】
冒頭の砂埃がたてる荒野の駅にマリーが到着するシーン。ラストの駅から徐々にカメラが引いていって、無人のなか、石油のリグが風で揺れるシーン。冒頭とラストがきわめて印象的な、ハードボイルド作品です。倒した敵の体に蠅がまとわりつくシーンとか、さもありなんという感じ。
ストーリーは一見、単純な復讐劇なんですが、そのなかに、口がきけないマデリン(エヴァ・グリーン)を入れることで、物語は深まりました。西部のサバイバルにたどりつくことができなかったマリーと、生まれたときから地獄のような生活を西部でおくってきたマデリン。二人の対比がよくできています。
そして、一見、ジョンとデラルーの対決のようにみえて、実はデラルーも巨大な権力の手駒にしか過ぎない。一方的な被害者に見えた町長(ジョナサン・プライス)ら町民たちも、かなりしたたかであるということで、物語が進むにつれて分かってきます。
結局、ジョンの妻子、兄のピーター(ミカエル・パーシュブラント)ら、善人ほど早く死んでいき、地獄で生き残るのは悪人ばかりというのも、何とも皮肉でなりません。
銃撃戦も一方的にジョンが強いのではなく、知略を尽くして相手を倒していき、意外な人があっさりやられたりして、最後までハラハラしながら見られました。序盤、妻子と7年ぶりにあえ、にこやかな表情をしていたマッツ・ミケルセンが、次第に復讐の鬼に代わっていく演技もなかなかのもの。最近みた西部劇では一番おもしろかった(といってもあまり本数はないですが)。
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