人生スイッチ

　アルゼンチンで大ヒットしたブラックコメディーで６編の短編からなります。テレビドラマの「世にも奇妙な物語」をよりシニカルにした感じといえば
分かりやすい。見る人を選ぶ作品でしょうねえ。

　作品情報　2014年アルゼンチン映画　監督：ダミアン・ジフロン　出演：リカルド・ダリン、オスカル・マルティネス、レオナルド・スバラーリャ、上映時間122分　評価★★★★（五段階）　鑑賞場所：ヒューマントラストシネマ有楽町　2015年劇場鑑賞110本目　



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　【ストーリー】
　＜おかえし＞仕事のために飛行機に乗り込んだモデルのイザベル（マリア・マルール）。隣の中年男、サルガード（ダリオ・グランディネッティ）からナンパされかけ、話を適当に流していたところ、元カレのパステルナークが共通の知人だとわかり、驚く。そこへ、後ろの座席の老婦人が「パステルナークは私の小学校時代の教え子」だったと話しかける。さらに、パステルナークの関係者が飛行機に続々と乗っていることが分かり…

　＜HAPPY　WEDDING＞イケメンで金持ちのアリエル（ディエゴ・ジェントル）との豪華な結婚式が始まり、幸せ絶頂の新婦のロミーナ（エリカ・リバス）。ところが、アリエルのふとした仕草から、浮気相手を結婚式に招待していることが分かってしまう。怒りに震えるロミーナは奇想天外な復讐を思いつくが…

　【感想】
　人生に待ち受ける落とし穴というか、ふとしたことから相手を怒らせたり、自分の堪忍袋が切れたりして、それがスイッチとなり不幸のどん底に陥る人々を描いています。あるあるとニヤニヤしつつも、結構、人がボンボン死ぬので、なんてブラックな、と思ったり。

　完全なバッドエンドもあれば、ほろっとくるラストもあり、６編は微妙に味付けが違いますが、いずれも短編として最後まで飽きずにみられます。中でもお気に入りが、上にあげた２本。オチは想像の範囲とはいえ、そうくるかと苦笑させられました。

　とくにHAPPY WEDDINGは「お手軽アルゼンチン版　ゴーンガ−ル」というか、男性がパニックに陥ったときの行動が「フレンチアルプスで起きたこと」そっくりで、洋の東西を問わず男は情けないなと思わせつつ、ラストの大逆転はツボにはまりました。

　まあ、ラテンの人は沸点が低いし、情熱的だから、日本人からすればこれはありえないということがほとんどですが、逆に怒りをそのままぶちまけるほうが、人間らしいのかもしれません。ストレスがたまっている人がみればすっきりするかも。

　俳優陣はアルゼンチンのスターがそろっているそうですが、向こうの映画のことはよくわからないので、初めて見る顔ばかり。男優たちの暑苦しい演技もさることながら、幸せ絶頂から、復讐のために般若のように顔が一瞬で変わる花嫁を見せたエリカ・リバスや、＜ヒーローになるために＞の子役の女の子をみると、やはり女優はすごいなあ。