作品情報 2015年日本映画 監督:英勉 出演:桐谷美玲、山崎賢人、坂口健太郎 上映時間112分 評価★★★★★(五段階) 鑑賞場所:109シネマズ川崎 2015年劇場鑑賞140本目
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【ストーリー】
女子高生のはとり(桐谷美鈴)は、自分こそが幼なじみの利太(山崎賢人)と結ばれる、恋愛ドラマのヒロインだと固く信じていた。それなのに、利太が根暗で地味な安達さん(我妻三輪子)と付き合いだしたことを知り、大ショック。
幼なじみの美少女の利点をいかそうと、悪役さながらの手を使って利太の心を奪いかえそうとするが、空振りばかり。そこへ、学校一のモテ男、弘光(坂口健太郎)が、はとりに猛アタックをかけてくる。自分が好きな幼なじみか、自分を好きなイケメンか、心が揺れるはとりだったが。
【感想】
少女漫画原作とあって、会場には女子高生がつめかけていましたが、僕のようなおじさん、おばさんもちらほら。お気軽なラブコメのようでいて、人を愛することの大切さ、切なさ、苦しさを思い起こさせてくれ、カップルでみても、親子でみても、もちろんぼっちでみても楽しめる作品です。
前半のコメディパートは、原作の大ファンで、映画の話が来る前から役の練習をしていたという桐谷のオーバーアクトがとにかく見物。予告編でもあるような変顔はもちろん、朝からトーストを口にくわえて登校とか、うれしくてトンボを切って廊下を走るとか(さすがに代役でしょうが)、実写でここまでやるかというベタなギャグのオンパレード。全盛期の仲阯R紀恵を超えるコメディエンヌの誕生です。さらに、親友の「愚かなる中島」役の福田彩乃が、自らギャグは封印して、冷静に突っ込みをいれている落差がたまりません。
また、柳沢慎吾、六角精児らワンシーンだけ出てくるゲストも実にツボにはいった起用法。さらに、恋愛相談にのる学食のおじさんが、竹内力だというのだから、これは女子高生がみてもわかるのかというような、おじさん好みの配役とギャグが続きます。
後半は恋愛重視になって、ある意味少女漫画の王道的なストーリーが続きます。夏祭りで花火をバックにしたキスとか、傷ついて大雨の中泣き崩れるとか、アイテムだけみればありきたりなのだけど、ちゃんとストーリーに沿って意味のある場面にしているのも、前半ではじけて、恋愛部分についてのいわば「ため」ができたからでしょうか。
はとりの恋の行方は映画をみてのお楽しみだけど、はとりだけでなく、利太、弘光、安達と主要登場人物4人ともが、恋をしっかり人生の成長の材料として使っていたのがとてもまぶしかった。わずかなシーンの彼ら、彼女らの表情で成長ぶりをみせるというのは、本当にうまいなあ。
正直、山崎、坂口の演技は今ひとつでセリフがたどたどしいところもあり、特に坂口は学年一のイケメンの割には、韓流スターっぽいヘアスタイルで「予告犯」とかのほうがイケメンにみえていたという突っ込みもありました。けれども、桐谷が弾けすぎていたので、受けの芝居としてはむしろおとなしめのほうがいいか、とさほど苦痛になりませんでした。
英勉監督の作品はこれまで何本かみて、自分に合わなかったのが多いだけに、本作が面白かったのは結構意外かも。まあ、魅力的に演じた桐谷の功績大といったところでしょうか。西野カナの主題歌「トリセツ」もよく、思わず購入してしまいました。
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