作品情報 2015年日本映画 監督:樋口真嗣 出演:三浦春馬、長谷川博己、水原希子 上映時間87分 評価★(五段階) 鑑賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 2015年劇場鑑賞143本目
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【ストーリー】
巨人に崩された外壁を修理しにいったエレン(三浦春馬)たちだが、巨人に襲われたアルミン(本郷奏多)を救おうとしたエレンは巨人に食われてしまう。しかし、エレンの体は突如巨大化して、周りの巨人をけちらしてしまう。
エレンが気がついたとき、彼は軍の士官クバル(國村隼)に捕らわれた。クバルはハンジ(石原さとみ)の反対を押し切り、エレンを巨人の仲閧ニして処刑しようとする。だが、そのとき…
【感想】
アクションエンタメは脚本に穴が開いても、勢いでつっぱしれば、無問題です。たとえばジュラシックワールドで、恐竜たちに襲われているど真ん中で主人公カップルがキスしても恐竜がスルーするとか、ありえないけど、襲撃シーンの迫力でまあいいかとなってしまいます。前編はそういう意味では脚本に突っ込みどころがあっても、勢いで突っ走りました。ところが後編はそういうのがありません。
人類が智恵を絞って絶望的な戦力差のある巨人と戦うシーンが盛り上がるのに、ほんの数秒だけ。あとは巨大化したエレンらによる巨人同士のプロレスにすぎません。だいたい、こういう作品だったら雑魚をたくさんたおして、中ボス、大ボス退治といけばいいのに、そういった描写もない。クライマックスはだれが主人公かわからない状態。
何があるかというと、演説合戦です。三浦、長谷川、國村がそれぞれ演説をするのだけど、それが実現したらどうなるかというと、小学生の作文のようなしょーもない話ばかり。しかも、政府が圧政をしいて民衆に暴虐をふるっているとかいうならともかく、前編のモンゼンの町はみんな平和に暮らしていたわけだし、偽りの平和だといいたいのならば、もっと裏で政府があくどいことをしているところをみせなければ。
また、重要人物に秘密のつながりがあることを示唆する描写があるのだけど、それがまったく生かされていません。素直にクライマックスでそのことを明らかにして、登場人物たちにも納得、感動させればエンタメとして盛り上がるのに、中盤のシーンとまるっきり矛盾しているし、なにを今さらというかんじ。最悪なのがエンディングロール後のおまけシーン。「メイズランナー」かよと突っ込みたくなりました。いかにも「2001年宇宙の旅」を意識したシーンなどもありますけど、セットが安っぽい。
前編にひきつづきぶっ飛んだ役を演じた石原さとみや、泥だらけになりながらもアクションに挑戦した、水原、桜庭ななみといった女優陣のがんばりには敬意を表したいのですが、それだけではねえ。
しかも、番外で共同脚本に名を連ねる映画評論家の町山智浩がラジオで後編は見なくていいと発言したのが炎上しています。町山は監督やプロデューサーが自分の思っていたものとかえてしまったとしていますが、不満だったら「アマルフィ」で作家の真保裕一が脚本として名前が載るのを拒否したみたいにすれば良かったのです。俳優陣のがんばりにスタッフが水を差すというドタバタは外部からすると、がっかりきわまりなかったです。その観客そっちのけの騒ぎで減点1して、久々の★1つにしました。
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