2015年09月28日

天空の蜂

 進撃の巨人に続いてみたおかげか、素直に面白かった。もちろん、子供が自衛隊ヘリに乗り込めるわけないとか、脚本に突っ込めるわけですけど、それを吹き飛ばす勢いの良さが最後まで続いてくれました。

 作品情報 2015年日本映画 監督:堤幸彦 出演:江口洋介、本木雅弘、綾野剛 上映時間139分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 2015年劇場鑑賞144本目



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 【ストーリー】
 1995年、愛知県の錦重工工場で、自衛隊の新型ヘリビッグBの引き渡し式が行われようとしていた。ヘリの主任設計士、湯原(江口洋介)は妻の篤子(石橋けい)、小学生の息子高彦(田口翔大)をつれて、工場見学にきた。だが、湯原と篤子の仲は冷え切っており、湯原の捨て台詞にショックを受けた高彦は、待合室を抜け出し、たまたま開いていたビッグBのなかにもぐりこんでしまう。

 突然、ビッグBが動きだした。ビッグBは無人飛行が可能で、外部から遠隔操作できるが、何者かにのっとられたのだ。高彦を乗せたままビッグBは、福井県敦賀の高速増殖炉「新陽」の上空でホバリングする。そして、犯人(綾野剛)は、ヘリのなかに爆薬が満載されているとして、日本政府に対して日本中の原発の即時破壊しなければ、新陽に爆薬をつんだヘリを落とすと脅迫する。現地に向かった湯原は、親友で原発の主任設計士、三島(本木雅弘)と協力しながら、事態の対処にあたる。

 【感想】
 東野圭吾の原作は1995年に書かれたのに、9.11テロや福島原発事故をすでに予見させるような部分もあり、さすがです。映画もプロットがしっかりしているおかげで、最後まで難題がおこりまくる、往年のパニック映画の傑作「新幹線大爆破」のような、上出来のエンタメになりました。

 ヘリに子供がもぐりこめるほど警備が緩やかなのかとか、ヘリのCGがしょぼいとか突っ込めますけど、小学生を救出するために、自衛隊の救難チームが全力でトライする場面は、予想もつかない展開もあいまり、ハラハラドキドキの連続です。その後も原発が停止するのかどうか、ヘリの燃料がなくなるまで8時間しかないとか、犯人は無事、逮捕できるのかなどなど見せ場がつるべ打ち。エンタメとしての基本はきちんと抑えています。

 また、ほとんどのアクション映画でテロリストの動機はぺらぺらの薄いものだけど、本作は綾野の熱演もあり、十分に納得のいく動機であるとともに、福島事故を想起させる内容になっています。といって、この映画が反原発に偏っているかというと決してそうではなく、原発が国民からどういうような扱いをうけているのか、何も実情をしらないのに、それでいいのかを問題提起する内容でした。やはり福島原発事故後だから、こういう作品をとれたのかな。もちろん、動機についても突っ込もうと思えば可能かと思いますけど、僕はそこらへんもしっかり描いていると思うし、震災すら風化してしまった2015年にこうした映画がある意義は高いと思います。

 熱い江口、冷静沈着で常に最悪を想定している本木、ニヒルなテロリスト綾野といった主役クラスはもとより、新陽所長役の國村隼、福井県警のベテラン刑事役の柄本明、そして、ある意味キーパーソンの仲間といったベテラン勢や、柄本とコンビを組む若手刑事役の落合モトキ、陸上自衛隊の救出チームの永瀬匡といった若手まで、緊迫感を高めていました。

 唯一残念だったのが妻役の石橋けい。これは演出の責任だと思うのだけど、ヒステリックに泣き叫ぶというのは、緊迫した本作のテンポを著しくそぐのですよねえ。そりゃ子供がヘリに閉じ込められて焦るのは分かるだろうけど、彼女のエキセントリックな場面が続くとさすがに閉口してしまいます。あと、エピローグ的な場面について賛否両論ですが、僕は賛のほうですね。最後にあの場面があったから、物語に締まりがでたと思います。

posted by 映画好きパパ at 06:11 | Comment(0) | TrackBack(16) | 2015年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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