2015年10月06日

ぼくらの家路

 児童虐待(ネグレクト)の物語なのですが、ドイツ映画というよりも、ダルデンヌ兄弟(ベルギー)の作品を想起しました。お涙ちょうだいに走らず、淡々と子供たち目線で描くのは是枝裕和監督の「誰も知らない」に通じるところがあるかも。ラストは個人的には不思議におもいました。

 作品情報 2013年ドイツ映画 監督:エドワード・ベルガー 出演:イヴォ・ピッツカー、ゲオルク・アルムス、ルイーゼ・ハイヤー 上映時間103分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2015年劇場鑑賞150本目



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 【ストーリー】
 ベルリンでシングルマザーのザナ(ルイーゼ・ハイヤー)と暮らす10歳のジャック(イヴォ・ピッツカー)と6歳のマヌエル(ゲオルク・アルムス)。母は子供たちに偏った愛情はあるものの、男性に奔放で、子供のことは二の次だった。母が遊びに行っている間、マヌエルはけがをしてしまい、それがもとで、福祉事務所によってジャックは施設に預けられることに。

 だが、施設でジャックは年上の少年たちからいじめを受ける。夏休み、ザナが約束の日に向江に来てくれなかったため、ジャックは施設を抜け出す。さらに、ザナがマヌエルを友人のところに預けて遊びに行ったことをしり、マヌエルをつれだし、2人でザナを探しに出かける。

 【感想】
 子供は親を選べないし、幼いないは親は絶対の存在。しかも、ザナは自分自身が親として未熟だが、体罰をふるったりしないし、機嫌が良ければ一緒に遊んでくれる。でも、端から見ればネグレクトであるけれど、マヌエルがけがするまで福祉の手も介入できないし、介入したあとも、決してジャックが幸せにならないというのも哀しい。

 おそらく日本でもそうなんでしょうが、周囲の人があと一歩踏み出そうとして、子供たちのことを考えないというのも現実的とはいえつらい。幼い2人が寝る場所もなく、深夜の町をさまよい、酒場など子供向けでないところを母を捜してウロウロしているのに、大人は自分のことでせいいっぱいなのか、親身になろうともしない。

 施設も人手不足もあるのだけど、露骨ないじめを見抜けない。おそらくいじめた方もストレスがたまっていて、より弱いものをたたくのだろう。そうした連鎖も何とかならないのかと見ていてはがゆくなる。

 しかし、こうしたつらい状況があり、弟という守る存在があるからこそ、ジャックの内面はどんどん成長していく。10歳でここまでシビアな割り切りができることが本人にとって幸せとはいえないだろうけど、いろいろ考えさせられてしまいました。

 ドキュメンタリータッチで、子供の目線にないものは写さないという徹底したスタイルもあって、淡々と物語りは進んでいく。そこが物足りない気もするけれど、こうしたテーマはエモーショナルにするよりはいいのかもしれませんね。子を持つ親としては、心にひっかかる佳作でした。
posted by 映画好きパパ at 06:49 | Comment(0) | TrackBack(3) | 2015年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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