作品情報 2015年日本映画 監督:石井隆 出演:東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ 上映時間129分 評価★★★(五段階) 鑑賞場所:109シネマズ川崎 2015年劇場鑑賞153本目
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【ストーリー】
1995年に起き、大量の死者が出た大越組襲撃事件(前作のGONIN)。上部組織の五誠会から責任を取らされ、大越組長の息子大輔(桐谷健太)は、五誠会三代目、誠司(安藤政信)の運転手をしながら組再興を夢見て、死後破門になった若頭の息子、勇人(東出昌大)は、飲んだくれた母の安恵(井上晴美)を抱えながら日雇いのバイトをしていた。
ある日、事件を調べている富田(柄本佑)と名乗るルポライターが現れる。一度は拒絶した安恵だが、真相を知って驚く。実は富田も大越組襲撃事件の関係者の息子だった。そのころ、脅迫され誠司の愛人となっている元アイドルの麻美(土屋アンナ)は、大輔と心を通わせるようになる。五誠会に恨みをもつ彼らはやがて復讐の計画を練るが…
【感想】
前作は昔見ましたが、記憶の片隅に残っている程度でそれほど思い入れはありません。本作は昭和の歌謡曲による挿入歌やエンディングロールで流れる東京の夜景の空撮が前作を想起させることがあり、前作ファンの間では好評ですが、僕からすると、役者の力量不足と、設定の欠陥が気になり、あまりはまりませんでした。
まず、前作の場合、竹中直人や椎名詰平といったぶっ飛んだ連中がでてきますが、本作の主役側は、麻美がいかれているとはいえ、それは思慮の足りなさに過ぎず、追い込まれた復讐でぶっとんでしまう迫力というのが感じられませんでした。結局、どこか覚めたところがあり(1人、2人がそういう役でもいいけれど)、完全にいっちゃった感じがないんですよねえ。
東出も、あまり意味のない設定だった東大卒ということもあるのでしょうが、それこそ一般人も巻き込んでばんばん殺し合うような話のほうが、設定のあらを覆うにはふさわしいのでは。桐谷、柄本は悪くはないけれど想定内ですし、殺し屋役の竹中が一人怪気炎を上げていましたが、この人、前作は別人の役ででているんですよ。根津甚八と佐藤浩市が前作の役ででているのに、なぜ竹中が別人役ででてくるのか不思議ですし、前作でもぶっとんでいたので、そんなに感銘をうけませんでした。五誠会2代目役のテリー伊藤もワイドショーの印象が強くて、怒鳴っていてもすごみはなかったし。闘病中で演技も大変な根津甚八だけが飛び抜けているのはどういうこと?
ストーリーもそうで、中盤の山場である事務所襲撃も、前作と違ってなぜ行うのかよく分からないし、クライマックスに至っては、なぜ警備を厳重にしないのかとか、???の連続。強敵を倒してすぐにクライマックスになるならともかく、時間が空いているので、警備が厳重にならないことがすごい不思議。このへんを勢いでのりこえられなかったんですよね。そもそも、クライマックスのアクションも、Vシネチックでしたし。
夜、雨のライティングや昭和歌謡曲の使い方は見事ですし、昔のハードボイルド映画は嫌いでないので、頭からはねつけたくないのですが、配役か脚本にもう一工夫あれば面白かったのにと思いました。
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