作品情報 2014年フランス、ドイツ、スイス映画 監督:オリヴィエ・アサイヤス 出演:ジュリエット・ビノシュ、クリステン・スチュワート、クロエ・グレース・モレッツ 上映時間124分 評価★★★(五段階) 鑑賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2015年劇場鑑賞172本目
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【ストーリー】
大女優のマリア(ジュリエット・ビノシュ)は、授賞式で人嫌いの劇作家のメルヒオールの代わりにトロフィーを受けるためにスイスへ向かっていた。だが、車中でメルヒオールが急死したと連絡を受ける。
メルヒオールの代表作で、20年前のマリアの出世作となった「マローヤのヘビ」がリメイクされることになった。だが、今回は主役ではなく、相手役のオファー。主役はハリウッドのお騒がせ女優ジョアン(クロエ・グレース・モレッツ)が抜てきされた。迷った揚げ句、出演を了承したマリアはマネージャーのヴァレンティン(クリステン・スチュワート)とともに、スイスの山荘にこもり、練習を重ねる。
【感想】
予告編から、マリアとジョアンの対決かと思ったら、それよりもヴァレンティンとの対決が続いたので、ちょっとびっくり。ただ、新旧女優の演技合戦だったら素人のこちらにもある程度理解できるけど、ヴァレンティンの心理はよく分からなかったなあ。
演技派女優でも、アクション大作によって芸術的な作品は衰退し、加齢とともに容姿も衰え、第一線にはとどまりにくくなる。けれども、人前で決して弱みは見せられない。そんなマリアの気持ちが丹念な心理描写でこちらによく伝わります。特に、アクション大作をめぐって、素直に楽しんでいるヴァレンティンとの対比は、マリアが映画界から取り残されつつある皮肉とともに、こうした大作しか楽しめない若い世代への皮肉もまじってるのでしょうか。
マリアが「Xメン」シリーズに出演した経験があったり、ハリソン・フォードと共演したことがあるなど、現実の俳優名もちらほらでてきます。それで現実に近づけようとしたのでしょう。その成果があり、「ゴジラ」に出演したジュリエット・ビノシュと「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワートがどんな気持ちだったのか、知りたくなるような意地悪な気持ちも。クロエ・グレース・モレッツは、すっかり大人になったというのも感慨深い。彼女とマリアのやりとりをもう少し見たかった気もします。
スイスの美しい山や湖の風景に自然現象の「マローヤの蛇」、パッヘルベルのカノンで非常にゴージャス感もあふれる作品になっています。3大女優の演技に、美しいバック、BGMがあったのだけど、結局、もたつき感があって消化しきれなかった感じもありました。まあ、人生なんてこんなものかといわれているような気もします。
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