2015年11月12日

ボクは坊さん。

 あまりしられていない坊さんの世界を紹介しているし、心温まる場面と適度なユーモアもあって悪い作品でないのだけど、小さくまとまっているというのが正直なところ。仏教界の応援を得ているみたいなので、あまり悪人はださずに、性善説の作品にしたかったのでしょうかね。

 作品情報 2015年日本映画 監督:真壁幸紀 出演:伊藤淳史、山本美月、イッセー尾形 上映時間99分 評価★★★(五段階) 鑑賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 2015年劇場鑑賞174本目



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 【ストーリー】
 愛媛県永福寺の跡取り息子、進(伊藤淳史)は高野山の大学で僧侶の資格はとったものの寺に入る気持ちに踏ん切りがつかず、社会勉強と称して本屋で働いていた。しかし、住職である祖父(品川徹)が急死してしまう。

 光円と名を改めた進は、祖父のあとを継ぎ急遽住職に就任する。世間からはうかがいしれぬ、寺のしきたりにとまどう光円に、檀家の長老(イッセー尾形)らは厳しい目を向けていた。そんななか、、幼なじみの京子(山本美月)が結婚式を寺であげたいと相談してくる。

 【感想】
 永福寺は原作者の白川密成が住職を務める実在のお寺で、四国八十八カ所霊場の一つの由緒あるお寺。彼の経験が元になっているだけに、お坊さんの名前ってペンネームではなく、戸籍まで変更しなければならないのかとか、数珠の値段がそんなに高いのかといったまじめな話から、般若心経を着メロにしているお坊さんもいるなど、笑いも含めた坊主の世界の豆知識みたいなのはふんだんにありました。

 また、淡い思いを持っていた京子の結婚式を取り扱うときの光円の暖かい説教や、その後の過酷な運命は映画オリジナルだそうですが、葬式だけではなく、新たな生命の誕生や子供を育てるにあたっても、お寺というのがしっかり果たす意味があるというのも考えさせられました。光円の高野山での同級生で、一般企業に就職したものの挫折する広太(濱田岳)の存在もうまく盛り込んであり、生きることとは何か、柔らかな言葉で考えさせられます。

 伊藤は、迷いながらも成長するという自分の得意な役で水を得た魚のようです。またイッセー尾形、母親役の松田美由紀らベテランの脇はもちろん、浜田、山本や親友役の溝端淳平など若手も物語に溶け込んでいました。今治ロケや永福寺の内部までうつした美術も良く、手堅い作品といえましょう。

 ただ、お寺が地域に根付いている四国だからというところも感じて、普段、寺とまったく関係ない僕にとっては、ちょっときれいごとすぎるという気も正直しました。光円のように、自分と一緒の目線で立ち止まって考えてくれるお坊さんがいればありがたいのだけど、僕の経験では、お寺は偉そうで金にがめついと、あまり良い印象をもっていないこともあったかもしれません。心が僕みたいに汚れていないひとがみれば、ありがたい作品だといえるでしょう。
posted by 映画好きパパ at 07:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 2015年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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