作品情報 2015年アメリカ映画 監督:バルタザール・コルマウクル 出演:ジェイソン・クラーク、ジョシュ・ブローリン、キーラ・ナイトレイ 上映時間:121分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所:TOHOシネマズ日本橋 2015年劇場鑑賞184本目
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【ストーリー】
1996年、エベレストには商業化の波が押し寄せ、ツアー会社が大金を支払った客を登頂させるビジネスが行われていた。ニュージーランドのツアー会社社長で、このビジネスをはじめたホール(ジェイソン・クラーク)は、妊娠中の妻(キーラ・ナイトレイ)を自宅に残したまま、今年のツアーを企画する。一行はアメリカの医師のベック(ジョシュ・ブローリン)、前年のツアーで登頂できなかったダグ(ジョン・ホークス)、紅一点の日本人、難波康子(森尚子)など多彩な参加者が集まった。
しかし、商業登山がはじまった結果、ベースキャンプではトラブルが続出。ホールはアメリカの同業者、スコット(ジェイク・ギレンホール)と協力して、アタックすることにするのだが…
【感想】
歴史にもしもがありませんが、準備の不十分さ、無理な登山の判断、慣れから来る過信、そして悪天候とどれか一つの要因でも変わっていれば、こうした悲劇は避けられたのにと考えると、どんな小さなことでもおろそかにしてはいけないと考えさせられました。
ホールは商売ですから、一人でも多くの人を登頂させないと自社の評判に傷がついてしまう。また、これまでトラブルはなかった。こうしたことが、とりかえしのつかない判断ミスになります。さらに、想定外の出来事がおきたときの対策も不十分でした。映画は淡々と映し出し、リーダーの責任を声高にとっていませんが、ホールやスコットのミスは大きいでしょう。
ただ、作品では触れられていませんけれど、当時の状況を調べると、台湾隊や南アフリカ隊などの責任もかなりあるようです。さらに、無酸素登頂をめぐるトラブルなども、登山経験がなければ、意味はよくわかりません。映画をみたあと、ネットでも当時の状況は調べられるので、改めてみることをオススメします。
3Dにする意味はあるのかという批判もあるみたいですが、個人的には、雪かけらが落ちてきた中盤は、結構、迫力を感じました。でも、後半になると目の慣れもあって、確かに3Dの意味というのは薄れてきたきもします。まあ、アバター含めて3Dって個人的には今いちなんですけどね。
また、登場人物がひげだらけですし、ふぶきの場面になると顔もわからないので、前半のうちに、服装などで、見分けておくことも必要かも。エベレストの遭難現場から衛星電話がつながることや、IMAX隊は映画を撮影しにきて、事故に遭遇したなど、結構、勉強になることもありました。それにしても、僕は冬山(遭難があったのは5月ですが)はとてもできないなあ。自然の驚異と人間のちっぽさもよく分かる作品でした。
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