作品情報 2015年韓国映画 監督:リュ・スンワン 出演:ファン・ジョンミン、ユ・アイン、オ・ダルス 上映時間:123分 評価★★★(五段階) 鑑賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2015年劇場鑑賞191本目
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【ストーリー】
ソウル警察広域捜査隊のソ・ドチョル刑事(ファン・ジョンミン)は、暴力など違法スレスレの捜査を行うものの、検挙率を誇る熱血刑事だった。パーティーの席で、巨大財閥シンジングループの御曹司チョ・テオ(ユ・アイン)と知り合ったドチョルは、テオの狂気の行動をみて、「犯罪は起こすな」と忠告する。
シンジングループの下請け運転手のペ(チョン・ウンイン)が、給料不払いのうえ、クビになったため、本社前で抗議活動を行っていた。そのペが本社ビルで飛び降り自殺を図り、意識不明の重体に。だが、その自殺に不審な点を感じて捜査を始めるドチョルだが、巨大財閥は警察上層部を動かし、ドチョルの動きを封じ込めようとする。
【感想】
巨大な財閥の圧力に押しつぶされそうになりながらも、不屈の闘志と上司、同僚のチームワークで捜査を続け、テオを追い詰めていくドチョル。韓国ではナッツ姫事件やロッテのお家騒動で、財閥の不祥事が明るみにでています。その一方で、財閥以外の企業の景気は苦しく、庶民の財閥への怨嗟はたまっているのでしょう。だから、時には暴力的な手段を使っても、巨悪に迫るドチョルのようなヒーローが受け入れられるのは理解できます。
しかし、これまでも「公共の敵2」をはじめ、財閥が悪役になる映画は何本もあったのに、なぜ、ここまでヒットしているのか今一つ理解できません。かなり、ギャグ寄りの部分もあり、個人的にはシリアスな韓国サスペンスのほうが好みなので、余計、あらが見えてしまったのかも。
ただ、ユ・アインの腐れ外道ぶりはお見事で、ファン・ジョンミンがかすんでしまったほど。僕はこの人を始めてみましたが、イケメンで冷酷でずるいという悪役が魅力的な作品は、やはり面白い。また、クライマックスのカーアクションから格闘シーンはソウル随一の繁華街明洞で撮影されたもので、日本で銀座や歌舞伎町でこういう撮影はできないことを考えると、韓国映画の撮影環境はうらやましいですね。
脇役も魅力的で、変顔脇役として、韓国映画ファンにはおなじみのユ・ヘジン(「黒く濁る村」「パイレーツ」)が、財閥の汚れ仕事を請け負うエリート役として、七三分けと冷酷な眼鏡で演技をしているのがびっくり。おなじく、ギャグ役が多い変顔脇役のオ・ダルス(「国際市場で逢いましょう」)が、ドチョルの上役のチーム長として、上層部の圧力をのらりくらりかわしつつも、自ら危険な現場に突入する理想の上司として登場する配役も意外でした。最近、何にでもでているような気がするマ・ドンソクがカメオ出演していたのはご愛敬でした。
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