作品情報 2015年アメリカ映画 監督:エドワード・ズウィック 出演:トビー・マグワイア、ピーター・サースガード、リーヴ・シュレイバー 上映時間:115分 評価★★★(五段階) 鑑賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 2015年劇場鑑賞196本目
ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村
【ストーリー】
子供の頃からチェスが得意だったボビー・フィッシャー(トビー・マグワイア)は、史上最年少の15歳でグランドマスターに就任するなど、天才ぶりを発揮していた。だが、チェスに打ち込むうちに、精神が乱れていき、ついに、母親のレジ−ナ(ロビン・ワイガート)を家から追い出してしまう。
当時、チェスはソ連が国家的に強化・育成しており、アメリカの選手はなかなか勝てなかった。ボビーも世界チャンピオンのスパスキー(リーヴ・シュレイバー)に敗れてしまい、ますます、彼の精神は追い詰められる。1972年、世界選手権で再びスパスキーと対戦することになったのだが…
【感想】
やはり天才は紙一重なのか、とにかくチェスにすべてを捧げ、精神的におかしくなるほどのボビーの様子をトビー・マグワイアの狂気じみた目つきで再現しています。なにしろ、ホテルについたら、盗聴されていると電話機を分解し、世界選手権の会場では、観客がうるさいと、卓球室に対局場所を移すように要求するほど。
また、人種差別的な発言も含めて、完全にいっちゃった人であることがわかります。ただし、チェスのように頭脳を使いすぎるとそうなるのでしょうか、最初は紳士的なスパスキーもどんどんおかしな行動をするようになっていくのは笑ってしまいました。もっとも、ボビーの場合には、母親の愛情に飢えていることや、周囲が金もうけのために対局を続けさせたため、精神がますます歪んでいるようにみえましたが。
ただ、残念なのが、ボビーの打った手がどのようにすごいのかが、よく分からないこと。せっかく、コーチ(ピーター・サースガード)がいるのだから、簡単でもいいから解説してくれればいいのに、と思いました。チェスを分かっている人だったら問題がないかもしれませんけど。緊迫感は伝わるのだけど、なにがすごいか分からないところが、隔靴掻痒なところも。
ちなみに、ボビーは晩年、日本で女性と暮らしていて、パスポートが切れて政府に拘束されたこともあります。日本人観客としては、そのエピソードもいれてほしかったかも。また、冷戦時代の米ソ対立をあおるわりには、ボビーとのかかわりが今ひとつでてきませんでした。エンタメというよりは、忠実にボビーの軌跡を追ったのは真摯ですが、途中で眠くなりました。
【2015年に見た映画の最新記事】