作品情報 2015年アメリカ映画 監督:ライアン・クーグラー 出演:マイケル・B・ジョーダン、シルヴェスター・スタローン、テッサ・トンプソン 上映時間:133分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所:TOHOシネマズ日本橋 2016年劇場鑑賞2本目
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【ストーリー】
ロッキー(シルヴェスター・スタローン)最大のライバルで親友でもあり、リング上で死んだ伝説のボクサー、アポロには愛人に産ませたアドニス(マイケル・B・ジョーダン)という子供がいた。アポロ夫人のメアリー・アンは(フィリシア・ラシャド)は施設で暴れていた幼いアドニスを引き取り、実子のように育てていた。
大人になったアドニスは、大学を卒業後、金融機関に勤めていたが、ボクサーの血が流れているためか、会社を辞めて家を飛び出し、プロボクサーになることを決意する。ロスからペンシルベニアに行き、今はレストラン経営者としてひっそりと暮らしていたロッキーの弟子に強引になる。
【感想】
ロッキーの1作目は当時の時代背景もあり衝撃的でした。負け犬で無一文の男が、不器用な愛とともに、巨大な敵に挑む。当時売れない俳優だったシルベスタ・スタローンの生き様もあいまり、大ヒットしました。しかし、その後続編を何本作っても、栄光をつかんだあとの男の物語は興行的にも、批評的にも厳しいものでした。
そんななか、2006年に「ロッキー・ザ・ファイナル」ということで、シリーズに区切りがついたのに、何を今さらという気持ちも、鑑賞前に正直有りました。さらに、1作目は無一文の男の物語なのに、本作は、愛人の子とはいえ、伝説のボクサーの子供の話だから、やはり血筋が何もかも決めてしまうと思え、中盤までは、正直、退屈でした。
しかし、中盤のワンカットのボクシングシーンで目を見張りました。そして、クライマックスのボクシングシーンは、まさに手に汗握るような展開に興奮させられました。正直、もっとボクシングシーンはみたかった。また、親の偉大さに子供が苦しむというのも、上映後、スタローンの息子が3年前に急死していることをしり、だからこそ、こういう映画を作りたかったのかと、ちょっと見方を変えました。
今回、スタローンは前面から退き、キャストの一番手はマイケル・B・ジョーダンに譲ってます。老いと孤独、そして、新しい世代への思いも十分感じさせる役柄をきっちりと演じました。また、「フルートベール駅で」でジョーダンと組んだ若干29歳のクーグラ−監督は、オリジナルに敬意を表しながらも、黒人を主人公に持ってきた意味を分からせる演出をきっちりとっており、その手腕には驚きました。自分自身が闘う相手というテーマもちゃんと1作目とぶれてないですしね。
日本ではあまり大々的に宣伝されていませんが、往年のロッキーファンは必見だと思いますし、過去作を見たことがない人でも十分楽しめるストーリーになっていると思います。なお、エンディングで流れる映像も、「ファイナル」も良かったけど、本作も良い。本当に作り手がロッキーをいとおしんでいることがわかります。
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