作品情報 2015年日本映画 監督:中村義洋 出演:竹内結子、橋本愛、佐々木蔵之介 上映時間:107分 評価★★★(五段階) 鑑賞場所:渋谷シネパレス 2016年劇場鑑賞35本目
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【ストーリー】
実録ホラーを書いている小説家の私(竹内結子)のもとに、女子大生の久保(橋本愛)から引っ越したマンションで奇妙な出来事がおこるという手紙がきた。だれもいない和室から、何かをひきずるような音がするというのだ。また、久保の部屋以外でも奇怪な現象がおきているらしい。
関心をもった私は、久保とともに、マンションについて調べていく。すると、恐るべき事実が次々と明らかになった。小説家仲間の平岡(佐々木蔵之介)の協力をえて、確信にせまろうとする私だったが
【感想】
単に部屋にとりついたのではなく、穢れがつくには、長い間の怨念と因縁が絡むというストーリー。郷土史をたぐるがごとく、私と久保の二人が丹念に過去を調べていく様子はドキュメンタリータッチでもあり、字幕を入れているのも、実録っぽいのをみせたかったのでしょう。
一見、平穏な様子だけど、実はその裏に不穏なできごとが…というのが、日本の古くからの怪談ぽくてよかったです。竹内、橋本とも抑えめの演技でしたし、竹内の夫役の滝藤賢一も、普段の大仰な演技と違っているほうが、かえって不気味。ただ、その分、佐々木がハイテンションに感じてしまったのですが、あまりにも抑制された演技ばかりだと観客が退屈すると思ったからでしょうか。
原作が小野不由美の小説ということがあり、まったく関係なさそうなことが、たぐっていくとつながりが分かるというミステリーに似たおもしろさもありました。心霊マニア役の坂口健太郎のナチュラルな感じも本作によくあっています。しかし、何よりも、大人には見えないものがみえる子供たちの、不穏な様子は、ああ、しっかり丁寧に作っているな、と納得できました。
しかし、最後のほうで、呪怨のパクリみたいな、それをはっきりみせて驚かす手法にはげんなり。しかもCGがものすごくちゃちで、なんだかなあ。ここまで抑えた美学を貫いていたのに、なんでラストでかわっちゃったのでしょうか。それさえなければ、怖くないけど、なんとなくぞわっとさせる作品として評価できたのにね。もったいなかった。
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