2016年03月27日

家族はつらいよ

 山田洋次監督久々の喜劇。わざとなのか、それとも感性なのかわかりませんが、非常に古くさく感じられる一方、年をとったせいか、懐かしさも感じました。まあ、豪華キャストによる肩の凝らない喜劇です。

 作品情報 2015年日本映画 監督:山田洋次 出演:橋爪功、吉行和子、西村雅彦 上映時間:108分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:渋谷シネパレス 2016年劇場鑑賞58本目



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 【ストーリー】
 横浜市の郊外にすむ周造(橋爪功)は気ままなリタイアメント生活を送っていた。だが、ある日突然、長年連れ添った妻の富子(吉行和子)に離婚を求められる。大人しくて上品な富子の突然の反乱に周造はびっくり。

 同居する長男夫婦(西村雅彦、夏川結衣)、次男(妻夫木聡)、近距離別居をする長女夫婦(中島朋子、林家正蔵)ら家族も大騒ぎ。はたして、なぜ富子は離婚を申し立てたのか、そして、夫婦の行方は。

 【感想】
 定年離婚の話を描いてますが、同じく崩壊しかけた家族の再生を描いた「クーパー家の晩餐会」と比べると、お気楽な限り。話の最後に「以上」と大声で言う橋爪をはじめとするベテランの大仰な演技もそうだし、妻夫木のわざとらしい気弱さも含めて、演劇調というかフィクション感がありあり。子役の演技だけがナチュラルという感じでした。

 まあ、靴下を投げ散らかすシーンが何度もうつるように、妻や義理の娘が自分に尽くすのは当然と考える亭主関白ぶりの周造が痛い目にあっても、ざまあみろとしか思えないし、それで、実は愛情があったといわれても、世代の違いを考慮しても、やはり30年ぐらいずれているかと。

 さらに、「男はつらいよ」のポスターが貼ってあったり、林家正蔵が「僕は酒もタバコも落語もやりません」とメタなギャグをいったり、小林稔侍、笹野高史といったベテランが大げさなジェスチャーを繰り広げたりと、いかにも笑ってくれと言うシーンの連続は、寒すぎて帰ってにやけてしまうほど。

 ただ、中年の琴線にこういうベタな喜劇はふれるんですよね。妻夫木の恋人役の蒼井優も久々におしとやかな役で良かったし。たまには、頭を空っぽにしてみるのも映画体験としてはアリでしょう。
posted by 映画好きパパ at 06:55 | Comment(2) | TrackBack(7) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
映画好きパパさん、こんにちは。「六日の菖蒲」のayameと言います。トラックバックをいただきありがとうございました。

おっしゃるとおり、最近”流行り”の定年離婚の話ですが、身につまされる方も多いのでは…。周造の亭主関白ぶりに「ざまあみろ」と思わせたところに、監督の意図があるのではと。

この映画、前作の『東京家族』や、小津安二郎監督の『東京物語』などと合わせて、ある種の“オムニバス構成”として見ると、コメディーとシリアスドラマの違いがあっても、そこに通底するモチーフがあると、私は思いました。
Posted by ayame at 2016年03月27日 17:21
ayameさんコメントありがとうございます。

小津の松竹の伝統を継ぐのは自分だという自負が
山田監督にあるような気がしました。東京物語も
リスぺクトしていましたし。

新藤兼人監督の晩年の作品もそうでしたが、
ベテラン監督が好きに演出するのって、悪くないんですよね。
こういう人情喜劇は他に作れる人はいないし、
山田監督にはまたこんな作品をとってもらいたいものです
Posted by 映画好きパパ at 2016年03月27日 18:15
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