作品情報 2015年日本映画 監督:小泉徳宏 出演:広瀬すず、野村周平、真剣佑 上映時間:111分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ日本橋 2016年劇場鑑賞61本目
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【ストーリー】
高校に入学したら競技かるた部を作ると宣言していたかるたバカの千早(広瀬すず)。小学校の時に太一(野村周平)、新(真剣佑)と日本一になったものの、その後、新が福井に引っ越し、バラバラになった彼女は、かるたを続けていればまた彼らに会えるという思いもあった。
高校で再び出会った太一は当初、かるたに消極的だったものの、千早の熱意に根負けする。やがて、小学校以来のライバルだけどすっかり存在を忘れられていた西田(矢本悠馬)、普段は大人しいのに古典の話になると変なスイッチが入る奏(上白石萌音)、コミュ障でいつも机にかじりついている秀才駒野(森永悠希)も巻き込み、かるた部を結成する。そして新に再開するため、全国大会出場を目指すのだった。
【感想】
原作は人気コミックだけど未読。前後編に分けたこともあり、ストーリーはさくさく進むけれど、飛ばしすぎということもなく、ちょうど気持ちがいい。とにかくひたすらかるたへの情熱を傾ける千早が、個人プレーでなく仲間でやることの大切さに気づき、上達していくことを主軸に、太一の千早への想いと、3人の行方がうまくミックスされています。
さらに、太一も含めた主要登場人物がみな、人間らしい欠点のあるという設定も良かったです。特に、千早への思いと新へのライバル心が強すぎて、自分でもかるたの神様に見放されてしまったことがわかる彼の自己嫌悪感、本当は友達を作りたいのに、コミュ障のため、勉強の殻にとじこもっていた駒野のプライドをめぐるかっとうなど、ああ、青春ってこういうことに悩むんだよな、と思い入れすることになりました。
多くの青春、恋愛映画って、主人公以外のキャラが書き割りのようなのに、この作品はみんな血肉が通っていて、特に、クライマックスのライバル校との対決で、試合後のショックというのが、青春の美しさとともに、試合の厳しさ、人生の苦さを感じさせてくれました。かるたの師匠役の國村隼の重みも功を奏しています。
かるた部分は、格闘技かと思うくらい迫力あるシーンで、実際の大会もこうなんでしょうか。小泉監督はモンタージュやカットバックなどの技法を使ってもりたててくれます。みているこちらがハラハラすることしきりでした。さらに、予告編でも流れているPerfumeのテーマ曲をはじめBGMもよかった。
しかし、なんと言っても広瀬すずは今、のりにのってますね。もともと若手女優の魅力を引き出すのに定評がある小泉監督だけに、松岡茉優がライバルとして登場する下の句も楽しみです。
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