作品情報 2016年アメリカ映画 監督:コートニー・ハント 出演:キアヌ・リーブス、レニー・ゼルウィガー、ジム・ベルーシ 上映時間:94分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズシャンテ 2016年劇場鑑賞69本目
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【ストーリー】
その事件は単純なはずだった。大物弁護士のブーン(ジム・ベルーシ)が自宅で殺害された。駆けつけた警察は、一人息子で高校生のマイク(ガブリエル・バッソ)が、母親のロレッタ(レニー・ゼルウィガー)に「自分がやった。もっと早くやれば良かった」と言ったことや、凶器のナイフから指紋が検出されたことから、マイクを殺人容疑で逮捕した。
しかし、マイクはその後、だれにも一言もしゃべらない。ブーンの後輩弁護士で、一家との付き合いも深かったラムゼイ(キアヌ・リーブス)と助手のジャネル(ググ・ンバータ=ロー)は、法廷が始まってもどう弁護するか頭を悩ます。さらに、警察も証人もウソをついていることに気づき…
【感想】
予告編や公式サイトをみると、難事件を名弁護士のラムゼイが快刀乱麻に解決するように思えますが、実はラムゼイは困ってばかり。彼のモノローグも随所に入るうえ、だれかが推理を組み立てると、その再現ドラマが入るので、何が真実なのか、どれが依頼者の利益なのか、ラムゼイだけでなく、最後まで観客の頭も混乱させるくせもの映画です。
事件はルイジアナの地方都市で起きた設定なので、田舎独特の傲慢な権力者であるブーンはだれからも憎まれていました。しかし、マイクは自供した黙秘を続けたまま。なぜなのか、もしかするとだれかをかばっているのではというこちらの浅薄な推理は、物語が進むにつれて、次々とやぶられていきます。
さらに、地方都市なので、裁判長も検事もブーンともラムゼイとも顔見知り。この地方都市ならではの濃密な空気と、暴力的な父親に虐げられる家族や友人の人間関係、いい加減な田舎警察の捜査などが物語の深みを出していますね。陪審員忌避や証人の矛盾というより態度で陪審員にアピールするなどの法廷戦術もみられ、法廷ミステリーとしてはなかなかのもの。裁判中に被告席にいるマイクが何をしているかなど、伏線もうまい。ただ、日本と司法制度が違うので、何でこうなるのか分からない部分もありましたが。
キアヌは久々にエリート役で、新鮮な感じ。レニー・ゼルウィガーがこんな低予算そうな映画にでているのには驚きました。また、ガブリエル・バッソは知らない俳優(子役時代にスーパー8でみている)なので、何を考えているのかわからない役にはぴったり。脇役に至るまで、配役もよかったですね。
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