作品情報 2015年アメリカ映画 監督:レニー・アブラハムソン 出演:ブリー・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ、ジョーン・アレン 上映時間:118分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ日劇 2016年劇場鑑賞77本目
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【ストーリー】
5歳の誕生日を迎えたジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)はママ(ブリー・ラーソン)と閉じ込められている狭い部屋だけが世界で、テレビが写しているような海や他の人というのは、みんな本物でないと信じていた。
実は2人はオールドニック(ショーン・ブリジャース)という男に監禁され、ジャックは生まれてから一歩も外に出たことがなかったのだ。ママはジャックが5歳になったとき、脱出を決意。ジャックに外に広い世界があると教えるのだが…
【感想】
狭い部屋に女子高生のときに監禁され、オールドニックにおもちゃにされ、望まぬ妊娠をしたママ。しかし、父親がどんな相手でも、子供が生まれたことで、母親になります。どんなに絶望的でも、栄養に気を配り、狭い部屋の中でストレッチなどで体力を落とさないようにする。さらに、本もないのに子供に名作を話し聞かせる。
物語はジャック目線で、監禁中は母親が世界のすべて。それをしっているママは、ときには絶望し、エネルギーがなくなることがあっても、母親の愛情がこんなにすごいものかと実感させられます。
同時にジャックも5歳とともに一人前と扱われます。世間の5歳はほんの子供です。でも、自分とママを守るために、何も知らない世界に出て助けを求めるという命がけの任務をしなければなりません。その代償は子供らしさを失うことでした。
脱出のシーンはサスペンスにあふれていますが、そこで出会った有能な女子警官や機転をきかせた通報者など、善意のある人にあったのがよかった。しかし、物語はそこで終わらず、後半は脱出後の再生になります。ママが監禁されている間に、ジャックの祖父母(ウィリアム・H・メイシー、ジョーン・アレン)は離婚してしまいます。ジャックが孫だと分かっても、なかなか素直に受け入れられないぎこちなさも分かります。ジャックの祖母の再婚相手レオ(トム・マッカムス)は、他人だからこそフォローできたのでしょう。
また、元の世界に戻ったらこそ起きるママとジャックの関係の変化、成長というのも考えさせられました。現実社会でも長期間監禁されるなど異常な犯罪が起きていますが、願わくは、被害者と家族が早く元の生活に戻れますようにとも思わされました。
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