2016年04月30日

スポットライト 世紀のスクープ

 ボストンでカトリック教会の児童性的虐待をスクープしたボストン・グローブ紙の取材班を映画化。事実を元にしているので淡々としているけど、報道機関の重要性というのを改めて感じました。

 作品情報 2015年アメリカ映画 監督:トム・マッカーシー 出演:マーク・ラファロ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス 上映時間:128分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズみゆき座 2016年劇場鑑賞83本目



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 【ストーリー】
 2001年、ボストンの地方紙、ボストングローブの新任編集局長に就任したバロン(リーヴ・シュレイバー)は、カトリック教会の神父が子供たちを性的に虐待しているニュースを追跡するよう、特別取材班の「スポットライト」に提案する。

 スポットライトのデスクのロビー(マイケル・キートン)をリーダーに、マイク(マーク・ラファロ)、サーシャ(レイチェル・マクアダムス)、マット(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)たちは取材をはじめる。だが、カトリックの強いボストンでは教会の力は圧倒的で、グローブ紙も読者の半分がカトリック。取材は困難を極めた…

 【感想】
 日本だと特定の宗教が町を牛耳るということはないので、ボストンでカトリック教会がどのくらい権力をもっているかというのは肌感覚では分かりませんでした。実話を元にしているだけに、派手に話しを作るわけもいきません。それでも、被害者が肉体的に犠牲になっただけでなく、信じていた神様にも裏切られ、家族や近所の人も守ってくれないという精神的にスタボロになる姿は、非常に恐ろしかった。

 また、ロビーたち地元の記者は、個々の事件はしっていても、それが教会組織そのものの問題点ということまでは気づきませんでした。それが、親会社のニューヨークタイムズから派遣され、しかも、ボストンでは少数派のユダヤ人であるバロンという外部の視点で初めて事件だと気づきます。実際、日本でも当たり前のように思われていたり、見過ごされたりしていることでも、全体のパーツをまとめれば、とんでもない事件というのが起きているのかもしれません。

 記者達の作業は非常に地道。関係者の家を一軒一軒回って、追い払われても何度も証言を聞こうとする。さらに、公表されているデータを再構築したり、裁判で情報公開請求をしたり。多くは公開情報だったり、過去に新聞社に情報が提供されていても忘れられていたり、スーパーマンはいないけれど、ミスがあってもこうした地道な作業の繰り返しこそが真実に到達するというのは非常にリアルでした。

 また、記者達はボストンで生まれ育っており、自分も教会にいった経験があるわけです。このあたりのローカル性の怖さもしみじみ感じました。その一方で、ラストで性犯罪をおかした教会の一覧がでるのですが、全世界に広がっていて、このへんはカトリックとは、信仰とは何かを考えさせる材料にも。

 マイケル・キートンのタフネスなリーダーぶりは、去年のバードマンとは一変しており、俳優として完全復活したといっていいでしょう。トップクレジットのマーク・ラファロの熱血ぶりもよかったですが、レイチェル・マクアダムスのような美人記者に真っ正面からきかれると、こちらもめろめろになってしまいそう、としょうもないことを考えてしまいました。
posted by 映画好きパパ at 08:05 | Comment(2) | TrackBack(21) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
映画好きパパさん、こんにちは。
「六日の菖蒲」のayameです。TBをいただき、ありがとうございました。

貴ブログ、拝読いたしました。カトリック教会が、精神も肉体も一個の人間を丸ごと支配してしまう“肌感覚”には怖いものがありますね。こうしたことがローカルとしてのみならず、よりグローバルに展開されたとき、宗教が、かつて世界を植民地化していくための先兵として機能してきたことを、思い出さずにはいられません。

マイケル・キートンのタフネスぶり、レイチェル・マクアダムスの心優しい演技、とてもよかったですね。私にとっては『ジゴロ・イン・ニューヨーク』以来となるリーヴ・シュレイバーの落ち着いた演技にしびれました。
Posted by ayame at 2016年06月09日 10:08
コメントありがとうございます。リーヴ・シュレイバーは本作をみたあと、フィフス・ウェイブをみてがっかりしました(笑)。俳優はいろいろな役をやってたいへんかと。

スポットライトにあるように、健全な社会には健全なマスコミが必要だと思います。日本もそうなればいいと実感しています。
Posted by 映画好きパパ at 2016年06月09日 18:19
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