2016年05月06日

獣は月夜に夢を見る

 自分が人間でないものとしってしまった少女を主人公に、いかにも北欧的な、静謐で濃密なホラー。自分が父親だったらどうしただろうという視点から見ていました。ネタバレありの感想です。

 作品情報 2014年デンマーク、フランス映画 監督:ヨナス・アレクサンダー・アーンビー 出演:ソニア・スール、ラース・ミケルセン、ソニア・リクター 上映時間:85分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2016年劇場鑑賞88本目



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 【ストーリー】
 北欧の小さな漁村。少女マリー(ソニア・スール)は、病気で動けない母(ソニア・リクター)の面倒を見ながら、魚の加工工場で働き始めた。マリーにも不思議な症状がでてきたが、父(ラース・ミケルセン)は病気のことを教えようとしない。

 一家は村の中で孤立しており、マリーも工場では嫌がらせをうけるものの、そこで知り合った若者ダニエル(ヤーコブ・オフテブロ)と互いに惹かれ会うようになる。だが、マリーの体の異変はますます大きくなり、ついに…

 【感想】
 北欧の映画らしく、説明過多にならず、こちらで想像を補っていくタイプの作品。獣とは何なのか、どうして起きるのかなどは分かりません。タイトルが月夜ということから、狼男伝説のように満月に変化するのかと思ったらそうでもないし。

 ただ、悲劇的な運命を背負ってしまったマリーが哀れで、運命から逃れようともがいても、ますます悪化していくところがなんともいえない。僕の立場からすれば、妻が怪物で、娘もしだいに変化していく父親の苦悩がとてもたまらない。ホラー映画が現実のメタファーだとすれば、遺伝病が発症してしまい、どうしようもない状態の父親といってもいいのでしょうか。

 自分自身の状態にいらだつマリーには、父親の言葉は届かない。そこへ恋人のダニエルが登場し、かつての両親のように、マリーを支えようとしてくれます。ただ、この部分はちょっとありきたりの表現に思えてしまい、やや残念。もうすこし孤立したマリーと、魂がふれあうような描写があればよかったのに。それからホラー部分もちょっと類型的かな。さっさととどめをさせよ、と内心思ってしまいました。

 とはいえ、壊れそうな美少女を演じたソニア・スールのはかなさと、次第に少女から愛するものができた女性になる変化だけでも、見られて満足かな。こういうタイプの作品って好き嫌いは分かれるでしょうが、漁村の風景も含めて、陰鬱な雰囲気は良かったです。
posted by 映画好きパパ at 07:58 | Comment(0) | TrackBack(4) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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