作品情報 2016年アメリカ映画 監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン 出演:ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン 上映時間:106分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ新宿 2016年劇場鑑賞102本目
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【ストーリー】
1950年代のハリウッド。大手映画会社の制作部長、マニックス(ジョシュ・ブローリン)は、トラブルをもみ消す達人だ。ある日、歴史スペクタクル超大作「ヘイル、シーザー!」の撮影現場から主演のスター、ベアード(ジョージ・クルーニー)が消え、身代金が要求されるという前代未聞の事件が起きた。
しかし、トラブルはそれだけではない。若手清純派女優のディアナ(スカーレット・ヨハンソン)は不倫相手の子供を妊娠し、社長お気に入りの西部劇俳優、ボビー(オールデン・エアエンライク)は芸術映画の主演に抜てきされたものの、あまりの大根演技に監督のローレンス(レイフ・ファインズ)は発狂寸前。さらにゴシップ記者のサッカー姉妹(ティルダ・スウィントン)が事件をかぎつける。同時多発のトラブルをマニックスはどう解決していくのか。
【感想】
予告編からみるとベアードの誘拐事件をマニックスを中心にスター達が解決していくという物語だと思ったのですが、そうではなくて、マニックスの一日を通じて、黄金期ハリウッドの熱気を伝えようという作品でした。誘拐事件は物語を転がすためのアイテムでしかないのですね。
わがままなスターや変人監督、それに天の声の社長の意向に振り回され、さらに、テレビの脅威がせまりくるなか、映画という天国を守るためになりふりかまわないマニックスの活躍は、映画ファンなら胸熱になるでしょう。ヘイル・シーザーはベン・ハーをモデルにしているし、チャニング・テイタムのミュージカルスターばりのタップは見事だし、エディー・マニックスという人物もMGMのトラブルもみ消し屋として有名だったそうで、こうした事情に詳しい人にはたまらないはず。
ただ、それぞれのエピソードが、大げさというか、とくに誘拐事件のてん末は、なんだそりゃという感じでした。まあ、ハリウッド10など赤狩りとかをおちょくりたかったのですかね。このへんは当時の映画ファンでないとわかりにくいなあ。また、ラストカットは失笑しました。そりゃそうだよね。
豪華キャストになれたコーエン兄弟作品のせいか、俳優陣も結構酷い目に遭うのに、喜々として演じています。ジョージ・クルーニーのねじの外れた大スターぶりは本当に笑えるし、スカヨハの身持ちの悪い女優というのも、アメコミ原作シリーズが多い最近の彼女の作品のなかではかえってぴったりかも。
ウエルメイドでないし、スパゲッティーの輪投げとかギャグも僕からすると乗りきれなかったし、アメリカ以外の間口は狭いだろうけれど、映画ファンなら見て損はない作品です。
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