2016年06月15日

手をつないでかえろうよ〜シャングリラの向こうで

 昨年がんで亡くなった今井雅之が主演・演出をしていた舞台(未見)を映画化。評判が良いので見に行きましたが、何をいいたいのか今一つピントきませんでした。今井作品の傑作「THE WINDS OF GOD」(舞台、映画両方みて、舞台のほうが好き)のようなインパクトを期待していたのですが。

 作品情報 2016年日本映画 監督:奈良橋陽子 出演:川平慈英、すみれ、七海 上映時間:107分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2016年劇場鑑賞117本目



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 【ストーリー】
 軽度の知的障害をもつ真人(川平慈英)は、ある理由から伊勢神宮へ車で行こうとしていた。そこへ、麗子(すみれ)というハワイから来た女性がヒッチハイクで乗ってくる。真人は車の中で若いころの苦い思い出がよみがえる。

 中学の同級生でやはり同じ障害のある少女、咲楽(七海)と恋をした真人。だが、暴力団組員だった父の義男(板尾創路)は、妻(LiLiCo)と真人を置いて家を出てしまう。トラック運転手になるのが夢だった真人は、いつしか父と同じ暴力団員に。しかし、知的障害が原因で、組のなかでも奴隷のような扱いだった。そして、咲楽を守るために罪を犯すことになってしまう…

 【感想】
 現在と過去の入れ子型式になっています。真人はピュアな障害者だし、真人側に立つ人がみな善人というところが、現実離れしてみえました。特に、真人をかわいがってくれた自動車教習所の講師、平岡(岡安泰樹)が、事件が起きた後もなぜ、あそこまでやさしく接することができるのか。

 そもそも、見ず知らずのヒッチハイカーだった麗子と真人が旅館の同じ部屋にいきなり寝るというシチュエーションからして、現実離れしています。真人がピュアだから襲わないということなんでしょうが、麗子のような美人をみて、どうも思わないとはあるのでしょうか。

 逆に悪人は徹底して悪人で、中でも、最初は中居正広そっくりだなと思った悪徳ヤクザが、本当に中居が演じていたのはびっくりしました。それはさておき、ヤクザの抗争の描写も類型的だし、80年代の映画といわれても納得できるほど。脚本も今井のクレジットになっていますが、映画向けにもう少しプロが手を入れても良かったと思います。

 役者はみな印象的でした。知的障害の役は初めてだろう川平も、七海への自然な気持ちがあふれでます。子役からの移行もスムーズだし、結構、演技ができるじゃん、という感じ。すみれは、うまいというよりも雰囲気が独特で、ハワイという異世界から来たいわれると納得します。

 でも、一番驚いたのは中居で、彼の演技はドラマも映画も何本もみているのに、まだ、こんなに引き出しがあるのかと思えるほど。前日の森田剛に続いて、ジャニーズに実力、あなどるべからずと思えました。中居はドラマの「味いちもんめ」で今井と共演しており、その関係の友情出演でしょうか。こういうマイナーな作品にでるところに、最近の熊本地震のボランティアをしていると同じ彼の人間性の豊かさが現れているのでしょうね。
posted by 映画好きパパ at 06:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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