2016年07月11日

王の運命−歴史を変えた八日間

 朝鮮王朝の有名な逸話を映画化しているそうですが、朝鮮の歴史には詳しくないので、どういう結末になるか分からず、最後までドキドキしながらみました。ただ、朝鮮時代劇にしては史実をもとにしているか、えぐさが足りなかったかな。

 作品情報 2015年韓国映画 監督:イ・ジュニク 出演:ソン・ガンホ、ユ・アイン、ムン・グニョン 上映時間:125分 評価★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿 2016年劇場鑑賞143本目



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 【ストーリー】
 18世紀の朝鮮王朝。長く在位している国王・英祖(ソン・ガンホ)を暗殺しようとした容疑で、王子(ユ・アイン)が捕縛された。40歳過ぎて生まれたたった一人の男の子である王子を英祖に期待をかけていた。

 だが、王子が成長し、執政の代理になると、性急な改革を行おうとして、重臣達と対立を起こす。そのことで、英祖との間に溝ができ、ついに取り返しの付かない事態になってします。

 【感想】
 父王が、自分の育った環境もあり、猜疑心にまみれているのが不幸の始まり。息子が思ったとおりに動かないと、不機嫌になり、それが父親の愛だと勘違いしている。息子がなまじ能力があるだけ、衝突は繰り替えされる。「葛城事件」とも似たような構図です。

 さらに、儒教の強い18世紀の朝鮮ということもあり、父親である国王に逆らうことは、人倫にもとる行為。側室の子である王子は父親のいうことは絶対的なわけで、今では考えられないような悲劇です。さらに、国王をたしなめる国母(国王の母)も、王妃(国王の正妻)も亡くなってしまいます。王子が雪のなか、気絶したまま土下座するシーンなど、これほどの心情が伝わらない王子の絶望はいかほどのものだったのでしょうか。

 8日間は、王子が米びつに閉じ込められ、宮殿に放置される刑をうけているときです。その8日間も絶望的でしたが、それよりも、親子に溝が生まれる課程の丹念な繰り返しのほうが、より、王子の悲痛な心をあらわしていました。

 ただ、親子の争いに争点をあてたため、重臣達の動きなどの描写がちょっと不足でした。実際、重臣達はどうなったのか、新しい王妃との関係などをもうちょっと見たかった気がしました。また、王子の息子サン(ソ・ジソブ、成長後)と重臣達の抗争ももうちょっと描いて欲しかったかも。

 ソン・ガンホはこういうアクの強い人物を演じればピカいちですね。ユ・アインは「ベテラン」の財閥のボンボン役でしたが、こういう悲惨な運命の人物もきっちり、できるというのはさすが。王子の嫁は、かつての子役スター、ムン・グニョンでしたが、かわいいけど、ちょっとふっくらした顔になっており、子役の大成は難しいのだろうなと思ってしまいました。
posted by 映画好きパパ at 06:54 | Comment(0) | TrackBack(1) | 2016年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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