作品情報 2015年アメリカ映画 監督:パトリシア・リゲン 出演:ジェニファー・ガーナー、カイリー・ロジャーズ、マーティン・ヘンダーソン 上映時間:109分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 2016年劇場鑑賞146本目
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【ストーリー】
テキサスの田舎町に住むビーム家は敬虔なクリスチャン。夫のケビン(マーティン・ヘンダーソン)が念願の動物病院を開業し、幸せいっぱいだった。だが、10歳の娘アナ(カイリー・ロジャーズ)が突然腹痛を訴え苦しみ出す。ケビンと妻のクリスティ(ジェニファー・ガーナー)は、病院へ行くが原因は分からない。
やがて、アナの症状は悪化していった。地元の医師からは、ボストンの大病院の小児科医ナルコ(エウヘニオ・デルベス)しか、治療できないといわれたが、ナルコの予約はいっぱいで、病院からも連絡がない。とうとうクリスティは予約なしで、ボストンの病院へ向かった。
【感想】
実話を元にしており、映画のラストには本物のビーム家の人々が出てきます。また、御都合主義的に見えるところも、すべて実話だそう。あらすじだけ見れば、よくあるお涙頂戴の難病ものかと思ったし、実際、そういう部分はあるのだけど、タイトルにあるように、奇跡とは何かがテーマです。
もちろん、キリスト教信仰が前提にあるのだけど、科学的には全部説明がつくんですね。臨死体験で宗教的な風景をみるというのはよくあることですし。ただ、何より、人の善意こそが奇跡ではないかということを実感させられました。クライマックスは思わず涙ぐみそうになりました。
クリスティは、いたいけな娘がこんなに悲惨な目にあって信仰を放棄しようとします。よくある宗教の作品なら、病気になるのは悪い人と決めつけるでしょうし、本作でも教会信徒からそんな嫌みをいわれます。けれども、ビーム一家だけでなく、テキサスの牧師(ジョン・キャロル・リンチ)も、ボストンでクリスティたちの悩みを聞いてくれるウエイトレス(クイーン・ラティファ)も、常識と善意にあふれる人たちです。こういう人たちが大勢いることこそ、奇跡といえるのでしょう。
また、クリスティの言葉で印象的だったのは、ボストンの病院での診断が長い順番待ちだといわれたとき、「アナが死なないのを祈りつつ、別の子供が死んで順番が開くのを待つのか」と絶望的につぶやくところ。人間の良心とはなにかも考えさせられました。
若手アクション女優のイメージがあったジェニファー・ガーナーですが、3児のおばさんになっていたのでびっくり。何よりすごいのが、カイリー・ロジャーズで、難病に苦しむ様子は、演技だとわかりつつも、目を背けたくなりました。将来が楽しみな女優です。
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